パスタを使用した離乳食の進め方(時期・量)|主な栄養素やおすすめレシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

お米に代わる主食として離乳食に取り入れたいのがパスタです。赤ちゃんに食べさせる際、大人と同じ調理方法でよいのか、いつから与えてよいのか悩みを持つママやパパもいると思います。

この記事ではパスタを使った離乳食の進め方を解説しています。おすすめのレシピや離乳食に適したパスタの選び方も紹介しているので、参考にして下さい。

パスタに含まれる主な栄養素

パスタに含まれる主な栄養素と働きは以下の通りです。

パスタは主食として離乳食におすすめの食材です。エネルギー源である糖質や赤ちゃんの成長に必要なタンパク質、ビタミン類も摂取できるからです。毎日がおかゆだと、献立に変化をつけたいと思いますよね。いつもと違った献立にしたいときにパスタを使ってみてはいかがでしょうか。

パスタを使用した離乳食の進め方

パスタを食べさせる月齢別の量と固さは、以下の通りです。

離乳食初期・ごっくん期(5~6ヶ月)はパスタを与えるのは控えましょう。なぜなら初期ではアレルギーの出にくい食材を使うのが望ましいからです。パスタの原材料である小麦は、アレルギー症状が出ることがあります。離乳食に慣れた1日2回食に進む頃が、主食に穀類を取り入れる目安です。パスタは離乳食中期・もぐもぐ期(7~8ヶ月)から与えるとよいでしょう。

はじめてパスタを食べさせる場合はほかの食材を混ぜずに、スプーンひとさじから与えます。万が一アレルギー症状が出た場合に、原因の食材を明らかにするためです。はじめて与えるときは、医療機関を受診できる平日の午前中にしましょう。

パスタを食べてアレルギー症状が出なければ、次にソースと合わせて赤ちゃんに食べさせます。ソースは自分で作るまたは買ってくる、2つの選択肢があります。ベビーフードを使うとソースを簡単に作ることができますよ。

離乳食で使用するパスタの選び方

離乳食で使うパスタを選ぶポイントは以下の2つです。

【離乳食で使用するパスタの選び方】

  • 原材料が小麦と水のものから選ぶ
  • ゆで時間が短いものから選ぶ

原材料に卵が含まれているパスタもあるので注意が必要です。なぜなら卵はアレルギー症状が出る可能性があり、万が一アレルギー症状が出た際に、原因が小麦か卵かの判別が難しいからです。

調理する時間を短くしたいママやパパはゆで時間が短いパスタを選ぶとよいでしょう。早ゆでタイプのパスタを選ぶと茹でる時間を半分以下にできます。例えば1.6mmの太さのパスタの湯で時間は7分ですが、同じ太さの早ゆでタイプのパスタでは3分です。

塩分を使わず、短くカットされた赤ちゃん用のパスタも販売されています。しかし後述する調理方法をとれば、大人用のパスタを使っても問題ありません。

初期はカッペリーニが食べやすくおすすめです。カッペリーニとは直径が1.3mm程度のパスタです。素麺ほどの細さで初期の赤ちゃんでも食べやすいのが理由です。後期では、手づかみ食べの練習ができるショートパスタ(マカロニなど)もおすすめです。

離乳食で使用するパスタの調理方法

離乳食で使用するパスタは、食べやすくするために柔らかめにゆでるのがポイントです。具体的な調理手順は、以下のとおりです。

【離乳食で使用するパスタをゆでる方法】

  1. 塩を入れずにお湯をわかす
  2. 記載されている時間の2倍を目安にゆでる
  3. ゆでた後はさっと水洗いして塩分をとる
  4. 食べやすい長さ(1㎝程度)に切る

調理ではなるべく塩分を使わないのがポイントです。なぜなら赤ちゃんの舌は大人よりも敏感なためです。パスタには100gあたり1.2gの塩が含まれますが、ゆでる時に塩分が抜けるので心配はいりません。

離乳食で使用するパスタの冷凍方法

パスタは冷凍保存ができます。一食ずつ小分けにして冷凍すると、離乳食を準備する手間を省けて便利です。柔らかくゆでたパスタを食べやすい長さに切り、ラップに包んでフリーザーバックに入れて冷凍しましょう。

解凍方法は冷蔵庫に移して自然解凍させます。ベビーフードのソースと解凍したパスタを合わせて、電子レンジで温めればできあがりです。解凍して再加熱したパスタは、水分が均一に行き渡ります。弾力がないため大人は物足りなく感じますが、赤ちゃんには食べやすいです。

パスタの離乳食に使えるおすすめのベビーフード

パスタにあわせるソースは、ベビーフードを使うと手間が省けます。the kindestのおすすめのベビーフードは以下の通りです。

【農夫風ポタージュ】

農夫風ポタージュは、7種類の野菜とたんぱく質である豚肉の入った、栄養バランスの良いベビーフードです。

【ハンバーグと野菜のとまと煮込み】

ハンバーグと野菜のとまと煮込みは、豆腐入りのハンバーグをとまとで煮込み、ほんのり和風に仕上げました。とまとの爽やかな味わいがしっかり感じられます。

パスタを使用した離乳食レシピ

ベビーフードをソースに使うと、ゆでたパスタにかけるだけで作れます。家事と育児を両立したい忙しいママやパパにおすすめです。おすすめの離乳食レシピは、以下の通りです

【パスタを使った離乳食レシピ】

  • 農夫風ポタージュパスタ
  • ボルシチとりんごパスタ
  • コーンクリームスパゲティ
  • スパゲティミートソース

農夫風ポタージュパスタ

「農家風ポタージュ」には豚肉と7種類の野菜が使われています。豚肉にはたんぱく質とビタミンB群が豊富で、栄養価が高いのでおすすめです。茹でたスパゲッティにかけるだけのこのレシピは、離乳食後期にぴったりです。

【材料】

  • 農夫風ポタージュ 大さじ3(約45g)
  • スパゲティ(ゆで) 80~90g

【作り方】

  1. 茹でたスパゲティを1cm程度の長さに切ります※お子さまの食べやすい長さにしてください。
  2. 器に盛ったスパゲティに「農夫風ポタージュ」をかけます

ボルシチとりんごパスタ

ビーツと豚肉を原材料にしたボルシチを使った、離乳食完了期におすすめのレシピです。ビーツはミネラルや食物繊維が豊富で、鮮やかなピンク色が食欲をそそる一品です。

【材料】

  • ボルシチ 大さじ4(約60g)
  • りんご 10g
  • 柔らかくゆでたスパゲティ 80g

【作り方】

  1. スパゲティを食べやすい大きさに刻みます
  2. りんごをすりおろします
  3. 耐熱容器に「ボルシチ」を入れてラップをし、電子レンジ500w~600wで20秒温めます
  4. 「ボルシチ」とすりおろしたりんごを混ぜ合わせます
  5. スパゲティにソースをかけます

 

コーンクリームスパゲティ

とうもろこしの甘みとチーズのコクがきいた、赤ちゃんが好きな味つけです。強い歯や骨を作るのに欠かせないカルシウムを摂取できるレシピなのでおすすめです。離乳食完了期に適しています。

【材料】

  • 鶏肉のクリームシチュー 大さじ4(約60g)
  • スパゲティ 80g
  • クリームコーン 30g

【作り方】

  1. 沸騰したお湯にパスタを折って入れて茹でます※大人のものよりも茹で時間を長くし、柔らかめに
  2. 茹でたスパゲティを2~3cmくらいの長さに切ります※お子さまの食べやすい長さにしてください
  3. 器に入れた鶏肉のクリームシチューにラップをして、電子レンジ500w〜600wで約20秒温めます
  4. 器に盛ったスパゲティに温めた鶏肉のクリームシチューをかけます

スパゲティミートソース

ハンバーグにレバーと豆腐を使っているので、不足しがちな鉄やカルシウムを摂取できます。自分で作ると手間がかかるハンバーグはベビーフードを使うと便利です。離乳食完了期におすすめのレシピです。

【材料】

  • ハンバーグと野菜のとまと煮込み 大さじ4(約60g)
  • スパゲティ(ゆで) 80g
  • すりおろしりんご 15g

【作り方】

  1. 茹でたスパゲティを2~3cmくらいの長さに切ります。※お子さまの食べやすい長さにしてください。
  2. 「ハンバーグと野菜のとまと煮込み」をスプーンで細かく崩します。
  3. りんごをすりおろします。
  4. ②にすりおろしたりんごを加え、ラップをします。
  5. 電子レンジ500w〜600wで約20秒温めます。
  6. 器に盛ったスパゲティに⑤をかけます。

ナポリタンスパゲティ

「鶏入りラタトゥイユ」はとまとなどの野菜が豊富に使われており、離乳食後期から取り入れられるレシピです。とまとに含まれるリコピンは抗酸化作用が期待できます。野菜不足が気になる時に取り入れたい一品です。

【材料】

  • 鶏入りラタトゥイユ 大さじ3(約45g)
  • ゆでたスパゲティ 80~90g

【作り方】

  1. ゆでたスパゲティを食べやすい長さ(1cm程度)に切ります
  2. ボウルで①と「鶏入りラタトゥイユ」を和えます

パスタを使用した離乳食を用意する際の注意点

パスタの原料である小麦は、アレルギーを引き起こす可能性があります。小麦は食品表示法で指定されている、27品目に該当する食材です。

小麦のアレルギーで起こり得る症状は、以下のとおりです。

【小麦のアレルギーで起こる症状※】

症状の出る部位具体的な症状
皮膚じんましん、かゆみ、むくみ、赤み、湿疹
粘膜目の充血、かゆみ、むくみ、流涙、まぶたの腫れ
口の周囲や口の中のかゆみ、腫れ、イガイガ感、違和感
くしゃみ、鼻水、鼻づまり
呼吸器咳、ぜん鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイと音がする呼吸)、息苦しさ
消化器吐き気、おう吐、腹痛、下痢、血便
全身性反応脈がはやい、血圧が下がる、ぐったりする、意識がもうろうとする
食物アレルギー生労働省のページを参考に作成

上記の症状が出たら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

ソースと合わせるだけで離乳食ができるパスタは、積極的に取り入れたい食材です。パスタの原料である小麦はアレルギーを引き起こすことがあるので、初めて食べさせる際はすぐに医療機関を受診できる時間帯、できれば午前中に与えましょう。
離乳食は思うように進まずにイライラしてしまいますよね。そんなときは離乳食を作る手間を省いてみて下さい。子育て家族にやさしいフードブランド「カインデスト」のベビーフードを試してみてはいかがでしょうか。