豆腐を使用した離乳食の進め方(時期・量)|主な栄養素やおすすめレシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

豆腐はやわらかくて食べやすく、栄養素も豊富。離乳食に取り入れやすいおすすめの食材です。

この記事では豆腐を使用した離乳食の進め方や選び方をお伝えします。豆腐は離乳食初期・ごっくん期(5~6ヶ月)から使用できる便利な食材ですが、選ぶ時や使用する時に知っておきたい注意点があります。

赤ちゃんの健やかな発育のため、離乳食作りをするママやパパはぜひ参考にしてくださいね。

豆腐に含まれる主な栄養素

豆腐に含まれる栄養素と働きは、以下のとおりです。

豆腐は多くの栄養素を含み、消化・吸収が良いため離乳食におすすめの食材です。豆腐の原料は大豆なので主な栄養素はタンパク質ですが、母乳で不足しがちな鉄分やカルシウムも含んでいます。

豆腐は栄養が豊富なうえ、味が淡泊でくせが少なく口の中でつぶしやすいので、赤ちゃんも食べやすいでしょう。

豆腐は皮をむいたり長時間ゆでたりする必要がないので、調理が簡単です。離乳食作りをするママやパパにとっても便利な食材です。

豆腐を使用した離乳食の進め方

豆腐を使用した離乳食は離乳食初期(生後5~6ヶ月)からはじめることができます。

離乳食の最初はつぶしがゆからはじめて、その後野菜や豆腐などのタンパク質へと進みます。離乳食を開始して3週間目くらいから豆腐を開始するといいでしょう。

用意する量は、はじめは小さじ1杯からのスタートですが、月齢ごとに食べられる量が増えていきます。用意する固さや大きさは、赤ちゃんの月齢や食べ物を飲み込む機能の発達に合わせて、少しずつ調整が必要です。

月齢別における豆腐を用意する量や固さ、大きさの目安は、以下のとおりです。

用意する量は1回分で豆腐のみの量です。2種類以上のタンパク質を用意する時は、1回分の量を減らすなど調節してください。

離乳食を作る際には、月齢に合わせて固さや大きさを変えるなど調理に時間がかかります。手作りだけではなくベビーフードを使用するもひとつの方法です。

離乳食で使用する豆腐は何がいい?

豆腐には絹ごし豆腐、木綿豆腐などの種類がありますが、離乳食で使用しやすい豆腐は「絹ごし豆腐」です。絹ごし豆腐は水分を多く含み、舌ざわりが滑らかなため飲み込みやすいからです。

離乳食中期・もぐもぐ期(7~8カ月)までは豆腐を準備する際、木綿豆腐の表面にある固い部分を取り除く必要があります。絹ごし豆腐の表面はやわらかいため、調理に手間がかからないこともおすすめの理由です。

木綿豆腐は舌ざわりがザラザラしますが、絹ごし豆腐より多くのタンパク質、鉄分、カルシウムを含み、離乳食に取り入れたい食材です。離乳食初期は絹ごし豆腐からはじめて、離乳食後期・かみかみ期(9~11カ月)頃より木綿豆腐を開始するといいでしょう。

離乳食で使用する豆腐の選び方

離乳食で使用する豆腐の選び方は、赤ちゃんが安全に食べられる豆腐を選ぶことです。豆腐を購入する時にはパッケージを確認して、下記のポイントに注意して選びましょう。

【離乳食で使用する豆腐の選び方】

  • 国産大豆100%のものから選ぶ 
  • 凝固剤は天然にがりを使用しているのものから選ぶ
  • 消泡剤が入っていないものを選ぶ

豆腐の原料となる大豆は国産100%のものを選びましょう。外国産の大豆は日本に輸送される際、防カビ剤や防腐剤を使用していることがあります。また日本で禁止されている「遺伝子組み換え」大豆の可能性があります。

豆腐を固めるために必要なのが「凝固剤」で、天然のものと人工的に作られたものがあります。

凝固剤の種類は、以下のとおりです。

  • 塩化マグネシウム(にがり)
  • 塩化カルシウム
  • 硫酸カルシウム
  • グルコノデルタラクトン
  • 硫酸マグネシウム

赤ちゃんに用意する豆腐は「天然にがり(粗製海水塩化マグネシウム・塩化マグネシウム含有物)」と表示されたものから選ぶのがおすすめです。凝固剤に天然にがりを使った豆腐は、より安全でおいしいと言われています。

豆腐を作る過程で、砕いた大豆を加熱した際に出る泡を消すために「消泡剤」という食品添加物が使用されます。食感のよいきれいな豆腐に仕上げるために使われますが、添加物が気になる場合は消泡剤が入っていない豆腐を選ぶといいでしょう。

豆腐を使用したおすすめのベビーフード

豆腐を使用したおすすめのベビーフードはthe kindestの「アジのつみれ煮」とハンバーグと野菜の和風トマト煮込み」です。

アジのつみれ煮

アジのつみれ煮は五島列島産のアジを、豆腐やおからと合わせて柔らかいつみれにしました。根菜の香りと旨みが楽しめる、和風のおかずです。

ハンバーグと野菜の和風トマト煮込み

ハンバーグと野菜の和風トマト煮込みは国産鶏肉と豚肉、豆腐を合わせてふんわり仕上げたハンバーグを、たっぷりの野菜で煮込みました。オーブンで焼いた本格ハンバーグと、かつお香るまろやかなトマトソースが食欲をそそるひと品です。

ベビーフードを使用すると、赤ちゃんの成長に必要な栄養が摂れる離乳食を簡単に作ることができます。また月齢に合うベビーフードを購入して、食材の固さや大きさを離乳食作りの参考にすることもできます。

豆腐を使用した離乳食レシピ

豆腐を使った離乳食レシピを紹介するので、離乳食作りの参考にしてください。

【豆腐を使った離乳食レシピ】

  • にんじんと豆腐のおかゆ
  • 鶏ささみと野菜の豆腐焼きナゲット
  • つくねの野菜あんかけ豆腐
  • ボルシチの豆腐あんかけ

忙しい時にはパウチ状になったベビーフードを使用すると、時短になるためおすすめです。またベビーフードは離乳食メニューを思いつかない時や、レシピを増やしたい時にも活用できます。

【ごっくん期】にんじんと豆腐のおかゆ

にんじんの甘みが加わった離乳食初期の赤ちゃんにおすすめのレシピ。炭水化物、野菜、タンパク質が一品で摂れます。

【材料】

  • にんじんのピューレ 小さじ1~2(約5~10g)
  • 絹ごし豆腐 小さじ1~2(約5~10g)
  • おこめのピューレまたは10倍がゆ(30~45g)

【作り方】

  1. 豆腐を耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジ500w~600wで10秒温めます。
  2. 温めた豆腐をすりつぶしてピューレ状にします。
  3. 「にんじんのピューレ」を混ぜ合わせます。
  4. 「おこめのピューレ」(または10倍がゆ)に「にんじんのピューレ」をかけます。

レシピで使用した「にんじんのピューレ」は以下の商品です。

にんじんのピューレ/5パウチ

もぐもぐ期鶏ささみと野菜の豆腐焼きナゲット

鶏肉と根菜の旨味がつまった一品。根菜に含まれる食物繊維は便秘対策にもオススメです。成長に必要なタンパク質、鉄分、カルシウムも含まれ、離乳食中期の赤ちゃんにおすすめです。

【材料】

  • 鶏ささみと野菜のあんかけ 30g
  • 水切りした木綿豆腐 30〜40g
  • 片栗粉 9g

【作り方】

  1. 豆腐をつぶしながら「鶏ささみと野菜のあんかけ」半量と片栗粉を混ぜ合わせる。
  2. フライパンに形を整えながら置いて焼く。
  3. お子さまの食べやすい大きさに刻む。
  4. とっておいた「鶏ささみと野菜のあんかけ」をかける。

レシピで使用した「鶏ささみと野菜のあんかけ」は以下の商品です。

鶏ささみと野菜のあんかけ/5パウチ

【かみかみ期】つくねの野菜あんかけ豆腐

タンパク質や鉄分、カルシウムなどの栄養が摂れる、離乳食後期の赤ちゃんに適したレシピです。香りづけにしょうがとにんにくを少量使用し、食欲のそそる味わいに。

【材料】

  • つくねの野菜あんかけ 45g
  • 豆腐 45g
  • だし汁 適宜
  • 醤油 少々

【作り方】

  1. 豆腐を食べやすい大きさに切り、皿に盛る。
  2. 豆腐にだし汁をかけ、ラップをして電子レンジ500wで20秒温める。
  3. 「つくねの野菜あんかけ」に醤油を加えて混ぜる。
  4. ラップをして電子レンジ500wで20秒ほど温める。
  5. ②の豆腐の上に温めた「つくねの野菜あんかけ」をかける。

レシピで使用した「つくねの野菜あんかけ」は以下の商品です。

つくねの野菜あんかけ/5パウチ

 【ぱくぱく期】ボルシチの豆腐あんかけ

鮮やかなピンク色が特徴的なビーツと豚肉を使ったボルシチに豆腐を加えたアレンジレシピ。 豆腐を加えるだけで簡単にタンパク質を追加。離乳食完了期の赤ちゃんにおすすめです。

【材料】

  • たっぷり野菜のビーツボルシチ 60g
  • 塩 少々
  • 豆腐 50g
  • だし汁 適宜

【作り方】

  1. だし汁で豆腐を弱火で煮る。
  2. 一煮立ちしたら火を止め、器に豆腐を盛り付ける。
  3. 「たっぷり野菜のビーツボルシチ」に少量の塩をふって混ぜる。
  4. ラップをして電子レンジ500wで20秒温め、豆腐にかける。

レシピで使用した「たっぷり野菜のビーツボルシチ」は以下の商品です。

たっぷり野菜のビーツボルシチ/5パウチ

豆腐を使用した離乳食を用意する際の注意点

豆腐を使用した離乳食を用意する際の注意点は、以下のとおりです。

【豆腐を使った離乳食を用意する際の注意点】

  • 必ず火を通す
  • 豆腐を冷凍すると食感が悪くなる
  • アレルギー反応が起こらないか確認する

豆腐を調理する時は加熱して、なるべく冷凍保存せず使い切るようにしましょう。また豆腐の原料は大豆であり、アレルギー反応が現れる可能性があるので注意が必要です。

必ず火を通す

豆腐は非加熱でも食べられる食材ですが、離乳食で使う時は必ず火を通すようにしましょう。豆腐の表面に雑菌がついていることがあるからです。赤ちゃんは抵抗力が弱いので、火を通して殺菌する必要があります。

離乳食で豆腐を使う際、お湯で茹でるか電子レンジで加熱しましょう。電子レンジを使用する時は、豆腐を耐熱皿に移し、かぶるくらいの水を入れてふんわりラップをかけます。加熱時間は10gで20秒(500W)が目安です。

豆腐は温度が下がりにくいため加熱後すぐに食べると、やけどをする危険があります。調理後はしっかり冷ましてから与えましょう。

豆腐を冷凍すると食感が悪くなる

豆腐を冷凍保存すると食感が悪くなるため、おすすめしません。豆腐には多くの水分が含まれるため、解凍すると水分が抜けて固くもそもそした食感になってしまいます。

豆腐は冷凍保存に向かない食材ですが、もし使いかけの豆腐を冷凍保存する場合は、すりつぶす、刻むなどしてから冷凍してください。冷凍保存する場合は2週間を目安に使い切りましょう。

離乳食作りで余った豆腐は大人の料理に使用するなどして、なるべく使い切るようにしましょう。もともと小分けされている豆腐を選ぶと、余る量が少ないので便利です。

アレルギー反応が起こらないか確認する

豆腐をはじめて試す時は、アレルギー反応が起こらないか確認する必要があります。豆腐の原料である大豆は、食物アレルギーを起こす可能性があるためです。

大豆はアレルギーの原因となり得る食品(特定原材料に準ずるもの21品目)に該当し、大豆を含む食品はアレルギー表示するよう推奨されています。(消費者庁アレルギー表示のページより)

大豆のアレルギーで起こり得る症状は以下のとおりです。アレルギー症状は、食後30分~2時間以内に出現しやすいといわれています。

【大豆アレルギーで起こる症状※】

食物アレルギー厚生労働省のページを参考に作成

上記のような症状が出て食物アレルギーが疑われる場合は、早めにかかりつけ医を受診しましょう。万が一ぐったりしている、意識がもうろうとしているなどの症状が出たら、すぐに救急車を呼んでください。

即時型食物アレルギーの全国調査によると、食物アレルギーの原因物質として鶏卵、牛乳、小麦が全体の67.2%を占め、大豆は1.6%でした。大豆によるアレルギーの割合は低いですが、はじめて食べる時は赤ちゃんの様子を注意して観察しましょう。