【この記事の監修者】工藤紀子医師 小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。
10ヶ月になると歯が生え始める赤ちゃんも増えてくるため、食べさせる離乳食にも変化があります。
赤ちゃんが育つ早さには個人差があり、今あげている離乳食のやり方が正しいのか不安を感じるママやパパもいますよね。生後10ヶ月の離乳食の進め方とあわせてスケジュールやおすすめレシピも紹介しているので、参考にしてみてください。
Contents
生後10ヶ月の離乳食の進め方
生後10ヶ月の離乳食は、離乳食後期(かみかみ期)にあたります。離乳食後期は、栄養を母乳やミルク以外から摂取できる状況である離乳が完了する1つ前の時期です。
生後10ヶ月の赤ちゃんは上下2本の歯が生えそろう目安とされる時期です。したがって生後10ヶ月の離乳食は前歯で噛みきり、歯ぐきでつぶす練習ができる食事を与えます。
用意する量の目安
生後10ヶ月で食べさせる離乳食1回あたりの量は以下の通りです。
上記は目安であり、赤ちゃんの食欲や成長に応じて離乳食の量は増やして構いません。ただし、タンパク質を多く含む食材は消化器官への負担が大きいです。したがって離乳食の量を増やす際は野菜を増やしましょう。
離乳食の量が適切か悩んでしまう場合は、成長曲線のグラフに体重と身長を照らし合わせます。もし成長曲線のカーブを下回っているなら量を増やすことを検討しましょう。
用意する回数
生後10ヶ月の離乳食の回数は1日3回です。離乳食を与える間隔は、5時間を目安にします。例えば、1回目は9時、2回目は12時、3回目は18時です。
離乳食を与えた後は母乳またはミルクをあげます。これとは別に母乳は赤ちゃんが欲するリズムで与え、ミルクは1日2回与えます。つまり、生後10ヶ月の赤ちゃんには母乳またはミルクを1日3~7回程度与えます。
離乳食の作り方
生後10ヶ月の離乳食は指でつまみ、軽く力を入れるとつぶれる硬さを目安に作ります。赤ちゃんが歯ぐきでつぶせる硬さにする必要があるためです。具体的にはバナナの硬さを目安にするとよいでしょう。柔らかすぎると丸飲みの原因になります。また、肉や野菜の大きさは5~8mmに切ります。
赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、調理をする際は衛生面に十分に注意しましょう。食品に触れる前に手洗いをするのはもちろん、離乳食専用のまな板を用意するとよいでしょう。
食材を加熱するにはガスコンロやIHヒーターを使うのが一般的です。しかし、赤ちゃんの面倒を見ながら火を使うのは心配ですよね。そこでおすすめの調理方法を2つ紹介します。
- 電子レンジで調理する
電子レンジを使えば赤ちゃんが急にぐずった時でもすぐに対応できます。タイマーが設定でき、調理中に目を離しても火事の恐れがないためです。また、鍋などの大きな洗い物を減らせるメリットもあります。電子レンジで加熱する場合は、均一に加熱されないので、まんべんなく火が通るように途中で混ぜたり、中まで火が通っているか確認する必要があります。
- 炊飯器を使って大人のご飯と一緒にと調理する
離乳食の食材を耐熱ガラスに入れるまたはアルミホイルで包んで、水に浸したお米の上に置きます。あとは炊飯ボタンを押すだけで、大人用の白米と離乳食の調理ができます。また、炊飯器で一度にまとまった量の全がゆを炊いて、ジップロックなどに平たく入れて冷凍すれば、使用したいときに必要量を手で割って電子レンジなどで回答するだけなので、とても便利です。
生後10ヶ月の離乳食で使える食材
生後10ヶ月の離乳食で使える代表的な食材は以下の通りです。
離乳食後期から使える食材にはきのこ類があります。きのこ類は弾力があり噛みちぎりにくいため、離乳食の中期までは避けるべき食材でしたが、離乳食後期からはきのこ類を与えても構いません。離乳食後期の食材の大きさは5~8mmですが、きのこ類は2~3mmの大きさにして与えましょう。
また、生後10ヶ月の赤ちゃんは鉄欠乏性貧血になりやすいので、鉄分が豊富な食材を積極的に使いましょう。なぜなら生後9か月を過ぎると、ママのお腹の中で蓄えていた鉄分を使い切ってしまうからです。鉄分が豊富な食材であるレバーなどを取り入れるとよいでしょう。
うどんやパンは小麦製品、ヨーグルトとチーズは乳製品でありアレルギーの原因となり得る物質を含みます。またパンには乳成分が含まれることがあります。アレルギーの心配がある場合は、離乳食を開始して1カ月後以降に試すといいでしょう。
また、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつおよびはちみつを含む食品は与えないでください。赤ちゃんはまだ腸内環境が整っていないため、はちみつに含まれるはボツリヌス菌が体内に入ると乳児ボツリヌス症になることがあるからです。市販のパンは卵・乳成分などが含まれている場合があるので、裏面の成分表示を確認して問題がなければ与えるようにしましょう。
卵を最初に与える時は、固ゆで卵(ゆで時間20分程度)の黄身を少量から与えるようにしてください。牛乳は調理に少量だけ利用することは可能(アレルギー反応がないことを事前に確認しておく)ですが、直接飲ませるのは避けて下さい。また、しらす干しは塩抜きしてからあげましょう。
生後10ヶ月の離乳食スケジュール・献立メニュー例
生後10ヶ月の離乳食のスケジュールは、朝昼夜の1日3回です。3回食になれば、家族と同じ時間で離乳食を食べさせるといいでしょう。生活リズムが整い、決まった時間に食事をする習慣が身につきます。
離乳食の献立は、穀類、野菜・果物、タンパク質を含むようにします。毎食ごとに献立を考えるのは大変なため、使う食材に一定のパターンを定めるとよいです。例えばタンパク質であれば肉、魚、豆腐、卵を順番にメニューに取り入れます。
生後10ヶ月の離乳食の具体的なスケジュールと献立メニューは以下の通りです。
野菜ミックスとは複数の野菜をバナナの硬さくらいの柔らかさに煮たものです。野菜ミックスに1品を足すことで献立に変化をつけると良いでしょう。野菜ミックスの例として、人参、大根、キャベツがあります。
生後10ヶ月のおすすめ離乳食レシピ
離乳食レシピには離乳食後期から使えるようになった食材を積極的に取り入れましょう。
離乳食と大人の食事の両方を毎日準備するのは大変です。そこでパウチの食品を使った時短レシピをうまく取り入れるのがおすすめです。
ナポリタンスパゲティ
【材料】
鶏入りラタトゥイユ 大さじ3(約45g)
ゆでたスパゲティ80~90g
【作り方】
①ゆでたスパゲティを食べやすい長さ(1cm程度)に切ります。
②ボウルで①と「鶏入りラタトゥイユ」を和えます。
レシピで使用した「 鶏入りラタトゥイユ 」は以下の商品です。
白身魚のかぼちゃ和え
ベビーフードと食材を和えるだけで作れる栄養価の高いレシピです。かぼちゃに含まれるビタミンA・C・Eと白身魚のタンパク質を1品で摂取できます。
【材料】
- かぼちゃピューレ
- ゆでた白身魚
【作り方】
- ゆでた白身魚をペースト状にします
- ①と「かぼちゃのピューレ」を和えます。
レシピで使用した「かぼちゃのピューレ」は以下の商品です。
レシピレバーペーストのフレンチトースト風パンがゆ
生後9か月を過ぎた赤ちゃんが不足しがちな鉄分を補給できるレシピです。食パンとポテトがあり、炭水化物をしっかり摂れます。
【材料】
- レバーとカツオ節のポテトサラダ 大さじ2(約30g)
- 食パン 50~80g
- 豆乳(ミルク) 適宜
【作り方】
- 鍋に食パンを小さくちぎります
- 豆乳をかけ軽くスプーンで押し、パンに豆乳を吸わせます
- 弱火で混ぜながらパンが柔らかくなるまで軽く煮ます
- 器にもったパンがゆに「レバーとカツオ節のポテトサラダ」をかけます
生後10ヶ月のおすすめベビーフード
生後10ヶ月の離乳食は前歯で噛みきり、歯ぐきでつぶす練習するかみかみ期にあたります。上下2本の歯が生えそろう赤ちゃんもいて、新しい食材を取り入れられる時期です。
特に離乳食後期は鉄分を積極的に摂取したい時期。鉄分が豊富な食材を積極的に食べさせて、鉄欠乏性貧血を予防しましょう。
とはいえ1日3回の離乳食を毎日作るのは大変です。頑張りすぎて疲れてしまう前に子育て家族に「やさしい」フードブランド「カインデスト」のベビーフードを試してみてはいかがでしょうか。