自分に合う方法で、楽しく育児する【古川未鈴】

子育てはうれしいことや楽しいことばかりではなく、ときには悩んだり、孤独に感じることだってあります。

家族みんなが笑顔で心身ともに健康で過ごすためにも、ときには何かに頼ることも大事。

「the kindest mama」は、育児や家事、仕事を頑張る人たちのストーリーを通じて何かに頼ることへのネガティブな想いを減らし、愛するわが子の身体と心、家族の絆をつくる食育の大切さを伝える、世の中のママパパを応援するインタビュー企画です。


今月の「the kindest mama」は、アイドルグループ でんぱ組.incのメンバーとして活躍中の古川未鈴さん。

プライベートでは昨年出産し、現在1歳の男の子のママ。昔は人見知りで引きこもりがちだったという古川さんが、アイドルやママになった今になって思う、周りに支えてもらうことの大切さについてお話をうかがいました。

引きこもりだった私が、どうしてもアイドルになりたくて飛び込んだ秋葉原の世界

幼少期は、転勤族の家庭で育ったこともあり、すごく人見知りでなかなか友だちができないタイプでした。

幼稚園と小学校だけでも6回転校を繰り返し、中学でもなかなか周りに馴染むことができませんでした。高校に入ってからは引きこもってネットゲームにどっぷりハマって家に引きこもるようになり、高校も中退。

一方で、モーニング娘。やスピードなどのアイドルグループが大好きで、「自分もいつかアイドルになりたい」と思っていて、歌に限らず雑誌や映画の子役まで、あらゆるオーディションに応募。けれど、どれもうまくいかなかったんです。

「自分には向いていないのかな?」と思っていたとき、秋葉原でメイド喫茶の文化が流行り出していたので、秋葉原なら芸能界に近づけるかも、と思いメイド喫茶で働き始めました。

その後、「歌を歌いたいんだったら”ディアステージ”というところがあるよ」と教えてもらい、ディアステージで働きはじめたのが今のでんぱ組.incとしてアイドル活動をスタートするきっかけになりました。

最初は歌っても拍手すらもらえなくて・・・1年くらいしてようやく軌道に乗って、今はたくさんのファンの方に応援してもらえるように成長しました。

あるときでんぱ組.incが担当することになったアニメの主題の漫画家が、今の夫との出会い。

はじめは「すごく面白い漫画だな」と憧れていたのが、知り合いを通じてプライベートでもお会いすることになり、2019年に結婚。2021年には第一子となる男の子を出産し、ママになりました。

周りが支えてくれるから、出産育児も楽しく乗り切れる

妊娠中はつわりがひどくて、その時ちょうど写真集の撮影中だったので、這うようにして現場にいき、泣きながらメイクしてもらうこともありました。はじめて、世の中のママを尊敬した瞬間です(笑)

だけど、メンバーやスタッフさんに助けていただいたり、いろいろと融通を効かして下さったおかげで、そんなつらい時期も乗り越えることができました。

つわりが落ち着いて産休に入ってからは、お腹のハリがひどく、マンションからエレベーターで降りるだけでも一苦労。その時は夫がいつもサポートしてくれました。

産後は「やっと我が子に会えた喜びで、ママもニコニコ笑顔!」・・・というわけもなく、身体中痛いし、寝れない日々が続くしで、子どもと一緒に泣きながら子育てしていた日もあります。

最初はなんとなく「母乳で育てないと」という想いもあったのですが、夫が「つらいならミルクに頼ってもいいんじゃない?」と励ましてくれて混合に切り替え、生後3ヶ月頃には完全ミルクに移行しました。すごく自分の中で気持ちも軽くなったし、結果、楽しく子育てできるようになったのでよかったなと思っています。

仕事に復帰してからも、保育園に入れるまではシッターさんを呼んだり、週末はお母さんにきてもらったり、働く時間が不定期な夫にみてもらったり周りに頼りまくっています。

「おむつだけは替えられないかも・・・」と産前言ってた夫もいざ生まれるとわが子を溺愛して、今ではおむつ替えもお手のもの。今ではお互いワンオペもできるので、どちらかが仕事になってしまっても安心です。

あとは、結婚や出産を機に女友だちが増えました。

なかなかアイドルとして活動していると、結婚や子どもの話になりにくかったので、すごく楽しいですし、いろんな情報が入ってくるのでありがたいです。

暗かった幼少期の頃の自分からだと、想像できなかったくらい、自分も成長したなと思います。

ママになっても「自分を諦めない」

ママになったからといって、何もかも我慢するのはよくないな、と思っています。
そのためには、上手に手を抜くことが大事。

わが家ではベビーサークルを使っているのですが、そのことにネガティブな意見をいただくこともありました。でも、サークルに入っている間子どもはその中で自由に動き回れるし、私もサッと家事や仕事ができるので、お互いにとってプラスだと思っています。

子育てに関する情報はたくさん溢れているので、その中でも自分に合うと思うものを取捨選択するのがいい。人によって価値観は違うし、育児に正解はないと思っています。
自分がストレスなく、子どもと向き合えるのであればそれが一番大事なのではないでしょうか。

もちろん、まだまだ私も何がベストなのかは日々模索中。

「こうじゃなきゃ、もうダメだ!」という極端だった性格が、母となった今は「子どものために頑張らないと」とメンタル的にも強くなったと周りからもいわれるようになりました。

最近では、ママのファンも増えてコメントなどもらえるようになったので、自分の発信でママさんにも影響を与えられているのはすごく嬉しいです。

これからもアイドルとして、ママとして、みんなが笑顔になれるような発信ができたらなと思っています。

<プロフィール>

古川 未鈴 (ふるかわ・みりん)

アイドル

9月19日生まれ。香川県出身。
『萌えキュンソングを世界にお届け』のキャッチフレーズで、秋葉原を中心に2010年頃より活動を本格化させたアイドルグループ「でんぱ組.inc」メンバー。
幼少期からアイドルに憧れてきて夢を叶えたグループの中心的存在。コンシューマーからアーケード、ネットゲームまで幅広く網羅し、ゲーム番組のMCもこなすゲーマーアイドル。高松市観光大使。

▶️Instagram:@furukawamirin
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