
【この記事の監修者】管理栄養士 前田量子さん 東京理科大学卒業後、栄養専門学校で学び、保育園や病院での栄養指導を経て独立。調理科学の視点から「おいしさの理由」を理論的に伝えることを得意とし、テレビや雑誌などメディア出演、著書多数。現在は乳幼児期含め幅広い世代の食事や商品開発にも携わり、科学と日常をつなぐ管理栄養士として幅広く活動中。
「魚がいいって聞くけれど、準備が大変で続かない……」
「がんばって出しても、子どもに嫌がられてしまう」
そんな声が、パパママからよく聞かれます。
乳幼児期の食卓において、お魚はハードルが高い食材のひとつ。 でも、“食の土台が育つ時期”である乳幼児だからこそ、お魚を積極的にとりたい理由があるのです。
この記事では、管理栄養士の知見をもとに、乳幼児期の魚の必要性や、魚を家庭で手軽にとりいれるコツなどについて、わかりやすく解説します。
Contents
どうして乳幼児期に“魚”が大切なの?
魚は、大人にとっても大切な食材。しかし、著しく成長しながら食習慣の土台を作っている乳幼児にとっては、さらに強い意味合いを持ちます。
① たんぱく質がとれる
乳幼児期は、第一次成長期。たんぱく質は、成長期に欠かせない材料です。魚は、火を通すとほぐれやすいため、食べさせやすいたんぱく質のひとつです。
②不足しがちな鉄が含まれている
1歳以降は、母乳や育児用ミルクから卒業する子も多く、鉄を豊富に含む食品にしっかり移行していく必要があります。加えて、鉄は食事量のムラでどうしても不足しがちになる栄養素。
③成長期を支えるDHAもとれる
魚には、肉では摂取できない栄養が含まれています。例えばドコサヘキサエン酸(DHA)は体内で作られない必須脂肪酸。乳幼児期は、DHAが大活躍する時期です。DHA、体内ではつくれないため、食事からとる必要があります。

幼少期に大切なビタミンDを含んでいることも、魚の嬉しいポイントです。肉に比べて低カロリーであることが多く、魚好きになると、生涯の健康にも◎
味覚は“経験”で、習慣は“頻度”で育つ
■ 幼少期の味覚には“経験”が大切
乳幼児期から魚を積極的にとりたい理由は、栄養だけではありません。さまざまな魚を経験することは、味覚や将来の食習慣にも大きく影響すると言われています。
- 触れたことがない食材→苦手になりやすい
- 舌が覚えたもの→大人になっても抵抗が少ない
また、魚は 白身 → 赤身 → 青魚 と、味わいのステップアップがしやすく、味覚の“経験値”を増やすのに向いている食材です。
味覚が広がる乳幼児期にしっかり魚と食べることで、自然とお魚好きになりやすい土台が作られるということですね。
■ 食卓に並ぶ頻度=将来の食選択につながる
「家庭の食卓によく並んでいた食材を、なんとなく習慣で選んでいる」という方は多いのではないでしょうか。逆に、幼少期に触れる機会が少ない食材は、大人になってからも無意識に選択肢から外れてしまうことも。
現代では魚料理が家庭で登場しにくく、幼児期の“魚経験”そのものが減少 しているのが気になるところです。魚は「意識しないと習慣になりにくい食材」なのです。

魚嫌いが増加!魚が食卓に並びにくい現代
「魚が大事なのは分かっている。でも大変!」
まさに、それがパパママのリアルな声。魚をとりいれたくてもハードルが高く、子どもにも避けられがちなのが現実かもしれません。

■ 日本の魚消費量は 20年で約半減
厚労省・農水省の統計で見ると、この20年ほどで魚の消費量はなんと約半分ほどに!

食卓から魚が減っているということは、魚が売れにくい時代ということ。漁師さんも食べていけなくなり、このままでは未来の食卓から、本当に消えてしまう魚も出てくるかもしれません。
家庭で無理なく魚を続けるコツ
魚を習慣的に食べるためには、親が準備しやすく、子どもが食べやすい形でとりいれることが大切です。負担を軽減しながら続けられるライフハックを、積極的に活用しましょう。

魚を続けるコツは、習慣の入口をつくり、続ける仕組みを作ること。
たとえば、
- 朝ごはんにしらすやお魚フレークをとりいれる(ごはん・パン・卵どれでも相性◎)
- 夕食は週に数回、肉と同じ味つけで魚を使う
- 汁物に白身魚を入れる
一日のどこかで、“魚をとりいれやすい1食”を固定してみましょう。
また、骨取り魚や子ども向けの魚の加工品はもちろん、最近はおやつでも魚をとりやすい商品が増えています。食事シーンだけでなく、おやつ時間もうまく活用していきましょう。
the kindestのお魚シリーズが“継続”に向いている理由
家庭で魚を続けるためには、”月齢に合わせた形”で魚に触れ続けることがとても大切です。the kindest のお魚アイテムは、離乳食デビューから幼児期まで、幅広いラインナップをご用意しています。
まとめ|魚を続けること=未来の食習慣を育てること
乳幼児期の食事は、ただの「成長期に必要な栄養補給」だけではありません。
- 食べる力
- 味覚体験
- 将来の食の選択
- “食べ物とどう付き合うか”という感覚
これらすべての土台が、乳幼児期の小さな積み重ねで育っていきます。食卓に魚をとりいれ続ける仕組みを、ご家庭に無理のない形でつくっていきましょう。
the kindest は、乳幼児期の「いま」を大切にしながら、お子さまが未来まで続けていける食習慣づくりを応援します。



