【この記事の監修者】工藤紀子医師 小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。
離乳食には「この月齢で何をあげたほうがよい」といったガイドラインがあります。しかし、すべての赤ちゃんがガイドラインどおりに離乳食が進むわけではありません。また、ママ・パパの離乳食に対する意識や考え方も違ってくることが多いので、すべてをひとまとめ「離乳食は絶対こうすべき!」と括ることは難しいです。
そこで、カインデストの会員274人を対象に、離乳食に関するアンケートを実施しました。開始時期や進め方に迷っているママ・パパは参考にしてみてください。
離乳食をいつから開始しましたか?
離乳食の開始時期は、1位が「生後5ヵ月目(60%)」ともっとも多く、次いで「生後6ヵ月目(32%)」となりました。両方を併せて全体の90%以上を占めており、一般的に言われている離乳食の開始時期と合致します。背景にはインターネット上の情報や育児関連の書籍でも、生後5~6ヵ月目から離乳食を開始することが多いこと、母親学級や定期健診での栄養指導が関係していると思われます。
赤ちゃんによって個人差があるとは言われていますが、離乳食の開始時期については一般的に言われている時期と大きなズレはないことが分かりました。
離乳食の開始にあたって何を目安にしましたか?
離乳食を開始した理由についてもっとも多いのが「月齢(214人)」でした。前述の「離乳食をいつから開始しましたか?」の裏付けとなる結果で、離乳食開始の一般的な基準である“月齢”を参考にするママ・パパが多いことが分かりました。2位・3位となった「食べ物を欲しがるようになった(103人)」「スプーンを舌で押し返さなくなった(57人)」は、典型的な離乳食開始のサインと言われています。個人差はあるものの、月齢と合わせて食べ物への興味や、スプーンへの抵抗具合を見て離乳食を開始するといいでしょう。
離乳食を始めてみて困ったことは何ですか?
「離乳食=手作りするもの」の固定観念がまだまだ強いのか、「作るのが大変・負担(198人)」と回答したママ・パパ多いという結果になりました。大人の食事とは異なる下処理や配慮が必要で、食材によっては赤ちゃんの発育状況を見ながら与えなければならないこともあります。何より毎日食べるものなので、献立を考えるのはなかなか大変です。それでも、赤ちゃんのために手作りで離乳食を作りたいと思っているママ・パパが多いことが分かりました。
また、食べさせる段階での悩みも多く、離乳食の量や与え方もママ・パパを悩ませてしまっているようです。赤ちゃんによって違いがあるものの、悩みとしては共通しているものが多いことが分かりました。
離乳食はいつまで続けていましたか?
離乳食の開始時期は、どの赤ちゃんもほぼ同じ時期でしたが、完了した時期に関してはばらつきがみられる結果となりました。最も早い時期で「生後12ヵ月(26.8%)」であり、同数で「生後13~15ヵ月(26.8%)」となっています。全体的な結果として、生後18ヵ月ごろまでに離乳食から一般食へ移行する赤ちゃんが多いことが分かりました。
一般的に1歳を過ぎると離乳食も完了期に入る赤ちゃんも多く、徐々に大人と同じものが食べられるようになります。この完了期に入ると同時に、離乳食から一般食に移行する赤ちゃんもそれなりにいるようです。離乳食完了のタイミングは赤ちゃんの発育状況にもよるので、様子を見ながら徐々に移行するといいでしょう。
まとめ
今回、離乳食に関するアンケートを実施したことで、昔から変わっていない認識と時代を反映している結果が浮き彫りになりました。また、一貫してママ・パパが赤ちゃんの離乳食や栄養について高い関心を持っていることも分かりました。大切な赤ちゃんには好き嫌いなく食べ物を食べてもらい、健康に過ごしてもらうことが一番。カインデストでは、今回のアンケート結果をもとに、ママ・パパに必要とされる離乳食やそれにまつわる情報をこれからも提供していきます。