さつまいもを使用した離乳食の進め方(時期・量)|主な栄養素やおすすめレシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

自然の甘みがあるさつまいもは、離乳食として赤ちゃんに与えやすい食材です。しかし、離乳食で使うさつまいもの選び方や調理方法はどうすればよいのか、悩みを持つママやパパもいますよね。

この記事では、さつまいもを使った離乳食の進め方を解説しています。おすすめの離乳食のレシピや注意点も紹介しているので参考にしてみてください。

さつまいもに含まれる主な栄養素

さつまいもに含まれる主な栄養素と働きは以下の通りです。

さつまいもの主成分はでんぷんですが、加熱するとでんぷんが糖質に変化します。さつまいもに含まれるビタミンCはでんぷんに守られているので、加熱しても壊れにくい特徴があります。また食物繊維は大腸の運動を促進して、排便をうながす働きがあります。 

さつまいもは離乳食におすすめの食材です。なぜなら離乳食のレシピが多様だからです。糖質が豊富なので白米に代わり主食になります。さらに甘さを活かして、離乳食のおかずだけでなくおやつとしても赤ちゃんに与えられます。

さつまいもを使用した離乳食の進め方

さつまいもは離乳食初期・ごっくん期(5~6ヶ月)から与えることができる食材です。さつまいもを使った離乳食の量や固さは以下の通りです。離乳食中期・もぐもぐ期(7~8ヶ月)以降の量はさつまいも以外の野菜を含む量の目安です。

初めて赤ちゃんに食べさせるときは、茹でたさつまいもを裏ごしした後に水や出汁のばしてペースト状にして与えます。最初はスプーン1杯から与えます。時間は平日の午前中がよいでしょう。万が一、アレルギー症状が出たときに病院受診ができるからです。

中期ではペーストの中に粒状のものが残る程度にしましょう。離乳食後期・かみかみ期(9~11ヵ月)は口を動かして潰しやすい5〜8㎜の大きさに切ってあげると、食べやすいです。離乳食完了期・ぱくぱく期(1歳~1歳6ヶ月)では、手づかみ食べができるスティック状にして与えるとよいでしょう。

なお、離乳食は自分で作る方法と買ってくる方法の2つがあります。旬のさつまいもが手に入らない時期や調理の手間を省きたいときはベビーフードを使うとよいでしょう。

離乳食で使用するさつまいもの選び方

さつまいもは赤ちゃんが安心して食べられるものを選びましょう。繊維が多いと赤ちゃんは食べづらく、離乳食が進まない原因になり得ます。離乳食で使用するさつまいもの選び方は3つあります。

【離乳食で使用するさつまいもの選び方】

  • 皮の色が鮮やかでツヤがあるものから選ぶ 
  • 太く、ふっくらした形状のものから選ぶ
  • 表面に密が出てきているものから選ぶ

細くてひげ根のあるさつまいもは繊維が多いので選ばないようにします。また、3つのポイントに該当するさつまいもであっても、両端は繊維が多いので離乳食への使用は避けましょう。

離乳食で使用するさつまいもの調理方法

さつまいもはアクが強い食材です。赤ちゃんの舌は大人よりも敏感なため、離乳食で使用するときは水にさらしてアク抜きをしましょう。具体的な方法は以下の通りです。

【さつまいものアク抜きする方法】

  1. さつまいもの皮を厚めにむき、月齢に応じた大きさに切る
  2. さつまいもがかぶるくらいの水に浸す
  3. 10~15分ほど水にさらす

アクは皮のすぐ下に多く含まれるため、皮は厚めにむきます。2~3回水を取り替えて、水が白く濁らなくなるまで繰り返すと良いでしょう。アク抜きをすると、さつまいもの変色を防ぐこともできます。

アク抜きをしたさつまいもは鍋で煮るか、電子レンジで加熱します。電子レンジは加熱にムラができることがあるので、かき混ぜて全体が柔らかくなっているか確認しましょう。

さつまいもをペースト状にする時は熱いうちにつぶします。冷めると固くなって潰しにくいからです。

離乳食で使用するさつまいもの冷凍方法

さつまいもはまとめて下ごしらえをしたうえで、冷凍保存するのがおすすめです。アク抜きや裏ごしする手間を省けるからです。冷凍したさつまいもは2週間~1ヶ月で使い切るようにしましょう。

  • ペースト状で使う場合

裏ごししたさつまいもをフリーザーバックに薄く広げて入れます。お箸を使って筋目を入れてから冷凍すると、必要な分だけ折って使えるので便利です。 

  • カットされた状態で使う場合

月齢に応じた大きさにさつまいもをカットして加熱後、フリーザーバックに入れて冷凍します。月齢に応じた大きさの目安は、離乳食中期では2㎜角くらいからはじめて4㎜角程度まで、後期では5~8㎜くらいです。

さつまいもを使用したおすすめのベビーフード

さつまいもを食べさせてあげたいけど育児が忙しくて時間がない、という人はベビーフードを活用しましょう。おすすめのベビーフードを2つ紹介します。

【さつまいものピューレ】

さつまいものピューレは、さつまいものやさしい甘さとなめらかな舌触りが特徴のピューレです。はじめてさつまいもを食べさせる離乳食初期におすすめです。また、離乳食中期以降でも、他の食材と混ぜるだけで使えるのでレシピの幅が広がります。

【さつまいものスープ】さつまいものスープは、さつまいもの甘みを口いっぱいに感じられるスープです。数種類の野菜の旨味とだしの香りがふんわりと口の中に広がります。

さつまいものスープ/5パウチ

さつまいもを使用した離乳食レシピ

自然な甘さが特徴のさつまいもは、おかずにもおやつにも使える食材です。仕事や育児で忙しいママやパパはベビーフードを使うと調理する時間を短縮できるので、試してみてはいかがでしょうか。さつまいもを使ったおすすめの離乳食レシピは以下の通りです。

【さつまいもを使った離乳食レシピ】

  • さつまいもとたまねぎの白身魚ペースト
  • さつまいもと豆腐のグラタン風
  • さつまいものミルクポタージュ
  • さつまいものパンケーキ
  • さつまいもとりんごのパンがゆ

さつまいもとたまねぎの白身魚ペースト

さつまいもとたまねぎの甘味がきいたソースが、淡白な白身魚に合うレシピです。ビタミンCとたんぱく質を摂取できるのでおすすめです。離乳食初期から与えられます。

【材料】

  • さつまいものスープ 小さじ1~2(約5~10g)
  • たまねぎ 5g
  • 白身魚 5~10g

【作り方】

  1. 沸騰したお湯で白身魚を茹でます
  2. 茹でた白身魚を小さく切ります
  3. 白身魚をすり鉢に入れ、すりつぶします
  4. すりつぶした白身魚に「さつまいものスープ」をかけ、ラップをします
  5. 電子レンジ500w〜600wで10〜20秒温めます

レシピで使用した さつまいものスープ は以下の商品です。

さつまいものスープ/5パウチ

さつまいもと豆腐のグラタン風

豆腐にさつまいものピューレをかけて温めるだけでできる一品です。忙しいときに手軽にたんぱく質も一緒にとれる離乳食初期から与えられるレシピです。

【材料】

  • さつまいもピューレ 小さじ1~2(約5~10g)
  • 絹ごし豆腐 25g

【作り方】

  1. すり鉢に豆腐を入れてすりつぶします
  2. すりつぶした豆腐をココットに入れ、「さつまいものピューレ」をかけます
  3. ラップをして電子レンジ500w〜600w、20秒程度レンジで温めます

さつまいものミルクポタージュ

1歳以降の赤ちゃんにおすすめしたいポタージュです。混ぜるだけで完成するので一品足したいときに重宝します。飲用の牛乳を与えるのは離乳が完了する1歳以降が望ましいとされています。

【材料】

  • さつまいものピューレ 45g
  • 牛乳 50cc

【作り方】

  1. 材料を合わせ、ラップをして電子レンジ500wで10秒ほど加熱する

さつまいものパンケーキ

さつまいものピューレを混ぜることで、単調になりがちなパンケーキの味に変化をつけることができます。一度にまとめて焼いて冷凍すると、準備の手間を省けて便利です。離乳食完了期から与えられます。

【材料】

  • ★さつまいものピューレ 20g 
  • ★全卵 小さじ1(5g) 
  • ★牛乳 大さじ1
  • ■小麦粉 20g 
  • ■ベーキングパウダー 1.5g

【作り方】

  1. ■を一緒にふるい合わせる
  2. ★を混ぜてから1に加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜ、フライパンで焼く

さつまいもとりんごのパンがゆ

食パンとさつまいもを使った食べ応えのある離乳食です。生のりんごは離乳食後期から与えるのが目安とされているので、月齢9か月以降に取り入れたいレシピです。

【材料】

  • さつまいもピューレ 小さじ1~2(約5~10g)
  • 食パン 30g
  • りんご 小さじ1(約5g)
  • 粉ミルクまたは水 適宜

【作り方】

  1. 食パンを細かくして鍋にいれたら、お湯でといた粉ミルク(水)でやわらかくなるまで煮ます
  2. りんごをすります
  3. ①にすりおろしたりんごと「さつまいもペースト」を加えます

さつまいもを使用した離乳食を用意する際の注意点

はじめてさつまいもを与える際は、アレルギー症状が出ないか確認しましょう。さつまいもは、アレルギーを引き起こす物質として食品表示法で指定されていませんが、初めて赤ちゃんに与えるときは注意が必要です。

【さつまいものアレルギーで起こる症状※】

症状の出る部位具体的な症状
皮膚じんましん、かゆみ、むくみ、赤み、湿疹
粘膜目の充血、かゆみ、むくみ、流涙、まぶたの腫れ
口の周囲や口の中のかゆみ、腫れ、イガイガ感、違和感
くしゃみ、鼻水、鼻づまり
呼吸器咳、ぜん鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイと音がする呼吸)、息苦しさ
消化器吐き気、おう吐、腹痛、下痢、血便
全身性反応脈がはやい、血圧が下がる、ぐったりする、意識がもうろうとする
食物アレルギー生労働省のページを参考に作成

上記の症状が出たら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

さつまいもは離乳初期から与えられる食材です。主食としてだけでなく、おかずやおやつに使えます。さつまいもはまとめて下ごしらえをして冷凍しておくと、調理の手間を減らせるので便利です。

離乳食は思うように進まずにイライラしてしまうこともありますよね。そんなときは離乳食を作る手間を減らしてみて下さい。子育て家族にやさしいフードブランド「カインデスト」のベビーフードを試してみてはいかがでしょうか。

さつまいものスープ/5パウチ