【生後9ヶ月】離乳食後期の進め方(量・スケジュール)|回数や献立メニュー・おすすめレシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

9か月目の離乳食は、中期から後期へと移る大事な時期です。「かみかみ期」とも呼ばれる離乳食後期は、中期よりも食べられるものが増えるだけではなく、回数も量も増えていくのです。しかし、今までと離乳食の種類が変わることで、混乱してしまうママやパパもいます。

この記事では、9か月目の離乳食の進め方や与える食材、週ごとの離乳食のスケジュールとレシピを紹介します。

生後9ヶ月の離乳食の進め方

9か月の赤ちゃんは、食べ物に興味を持ち、口を動かして食べ物を噛むようにして飲み込むことができるようになります。歯は生え始めているものの、歯だけではなく歯茎も使って食べ物をすりつぶして食べられます。離乳食後期に移るタイミングとしては、口をもぐもぐ動かしていればOKです。

後期の離乳食は、中期の離乳食と量や回数、作るときの注意点が変わります。具体的には次のようになります。

  • 1回の食事で離乳食用の茶碗1杯分食べられるようになる
  • 1日3回離乳食になる
  • バナナぐらいの固さの食べ物が食べられる

用意する量の目安

9か月目の離乳食は、1回で離乳食用のごはん茶碗1杯分を用意するようにしましょう。具体的な目安は以下のとおりです。

あくまで目安ですが、1回あたりの食事量は離乳食中期よりも格段に増えています。赤ちゃんの栄養摂取が母乳やミルクから食事に代わっていく時期でもあり、食事から摂る栄養は1日に必要な量の2/3を占めます。穀類・野菜・タンパク質をバランスよく与えることが大切です。

また、赤ちゃんの様子を見ながらおやつ始めるのもありです。特に手づかみ食べに興味を持ちだした赤ちゃんには、有効な方法です。ただし、おやつが絶対必要なわけではありません。離乳食で1回で食べる量が少ないなど必要な栄養が不足していると感じたら、時間を決めておやつをはじめてみましょう。

用意する回数・時間

生後9ヶ月の離乳食で食べさせる回数は1日2回から3回へ変わっていきます。「もぐもぐ」「ごっくん」ができるようなら、回数を3回に増やしてもいいでしょう。以下の時間帯を参考に、食べさせる回数を増やしてみてください。もし足りなければ、おやつを合間に挟みましょう。

3回食になれば、家族と同じ時間で離乳食を食べさせるといいでしょう。生活リズムが整い、決まった時間に食事をする習慣が身につきます。ただし、まだ完全に離乳できる時期ではないので、食事と授乳を組み合わせて栄養を摂れるようにフォローしましょう。

離乳食の作り方

生後9ヶ月の離乳食を作るうえでのポイントは次の3つです。

  • ごはんは全がゆもしくは軟飯
  • バナナぐらいの固さに調理
  • 野菜や魚は5~8mm程度の大きさ

離乳食を作る上で、すべての食事で気に掛けるポイントです。少し大きめの、歯ごたえのあるものを準備することで噛む習慣がつきます。もし食べにくそうであれば、とろみをつけることで赤ちゃんが食べやすくなります。一度とろみなしの離乳食で赤ちゃんの反応を見てから、工夫をしましょう。

生後9ヶ月の離乳食で使える食材

9ヶ月目の離乳食で使えるようになる食材は次のとおりです。

離乳食後期から使える食材にはきのこ類があります。きのこ類は弾力があり噛みちぎりにくいため、離乳食の中期までは避けるべき食材でしたが、離乳食後期からはきのこ類を与えても構いません。離乳食後期の食材の大きさは5~8mmですが、きのこ類は2~3mmの大きさにして与えましょう。

また、生後9ヶ月を過ぎた赤ちゃんは鉄欠乏性貧血になりやすいので、鉄分が豊富な食材を積極的に使いましょう。なぜなら生後9か月を過ぎると、ママのお腹の中で蓄えていた鉄分を使い切ってしまうからです。鉄分が豊富な食材であるレバーなどを取り入れるとよいでしょう。

うどんやパンは小麦製品、ヨーグルトとチーズは乳製品でありアレルギーの原因となり得る物質を含みます。またパンには乳成分が含まれることがあります。アレルギーの心配がある場合は、離乳食を開始して1カ月後以降に試すといいでしょう。

また、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつおよびはちみつを含む食品は与えないでください。赤ちゃんはまだ腸内環境が整っていないため、はちみつに含まれるはボツリヌス菌が体内に入ると乳児ボツリヌス症になることがあるからです。市販のパンは卵・乳成分などが含まれている場合があるので、裏面の成分表示を確認して問題がなければ与えるようにしましょう。

卵を最初に与える時は、固ゆで卵(ゆで時間20分程度)の黄身を少量から与えるようにしてください。牛乳は調理に少量だけ利用することは可能(アレルギー反応がないことを事前に確認しておく)ですが、直接飲ませるのは避けて下さい。また、しらす干しは塩抜きしてからあげましょう。

生後9ヶ月の離乳食スケジュール・献立メニュー例

生後9ヶ月の離乳食スケジュールは中期から後期へ移行する時期であり、少しずつ量を増やしていきましょう。食材の種類も増えているので、赤ちゃんが飽きないようにバリエーションを豊かにすることが重要です。また、赤ちゃんの興味次第では手づかみ食べできるものもおかずとして準備しましょう。以下のスケジュールを参考に献立を決めましょう。

1週目の離乳食スケジュール

実際の量は「食べさせる量」の項目を参考にしながら、赤ちゃんの食べる量を見て調整しましょう。手づかみ食べできるものを3回のうち1回は与えることで、手づかみ食べに対して興味関心を抱きます。

1週目だけでもかなりの数のバリエーションがあります。事前にストックを作って冷凍しておくか、ベビーフードを活用してできるだけ負担をかけずに準備できるようにしましょう。また、食材の大きさは3~5mm程度にしておき、慣れてきたら徐々に大きくしていきましょう。

2週目の離乳食スケジュール

おかゆは全がゆのままですが、徐々に卵やひき肉の回数を増やしていきましょう。11日目の夕食にある「レバーペーストがゆ」は、ペースト状になったベビーフードのレバーを活用します。鉄分補給にぴったりの食材ですが、クセがあり調理も大変なのでベビーフードを使って手軽に、かつ赤ちゃんが食べやすいようにしましょう。

3週目の離乳食スケジュール

1・2週目で出したものも並んでいますが、徐々に切り方やほぐし方を大きくしていきましょう。赤ちゃんの様子を見ながらですが、きちんと「かみかみ」「ごっくん」ができていれば5~8mm程度まで大きくしても問題ありません。母乳やミルクの量が徐々に減ってきますが、欲しがっているあいだはほしいだけあげてください。

4週目の離乳食スケジュール

毎食のバリエーションも増え、離乳食を作ることが大変になってきます。冷凍のストックを作ったり、ベビーフードを有効活用したりして、献立を考えていきましょう。

順調に進めば4週目ごろには全がゆから軟飯へ切り替えられるでしょう。もし一回の食べる量が少ない場合は、おやつで補給する方法も取れます。臨機応変に赤ちゃんの栄養が摂れる体制を整えましょう。

生後9ヶ月のおすすめ離乳食レシピ

生後9ヶ月の離乳食のおすすめレシピです。

一品だけでもある程度の栄養を摂ってもらうことができます。ただし、アレルギーの確認ができていない食材が含まれている場合は、慎重に対応しましょう。

ピザトースト

【材料】
・鶏入りラタトゥイユ 大さじ3(約45g)

・食パン 8枚切り 3/4枚〜1枚(みみは取り除く)

・チーズ 少々

【作り方】
①耳を取り除いた食パンに「鶏入りラタトゥイユ」をぬります。
②粉チーズを振り、トースターで1~2分ほど様子を見ながら焼きます。
③食べやすい大きさに切ります。

レシピで使用した「 鶏入りラタトゥイユ 」は以下の商品です。

イラと高野豆腐の卵とじ

【材料】
・イラと高野豆腐のとろみ和え 大さじ3(約45g)

・全卵 1/2個

・だし汁 適宜

【作り方】
①「イラと高野豆腐のとろみ和え」とだし汁を合わせ、
 一煮立ちさせます。
②仕上げに溶き卵を回しいれます。

レシピで使用した「 イラと高野豆腐のとろみ和え 」は以下の商品です。

生後9ヶ月のおすすめベビーフード

生後9ヶ月目の離乳食は、食べる量や回数、食材が大きく変わる大事なタイミングです。1日の栄養の2/3を食事から摂取できるようになる最初の時期なので、多くの食材に触れてもらうことが大切な時期でもあります。
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