【この記事の監修者】工藤紀子医師 小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。
まぐろはタンパク質以外の栄養素もあり、赤ちゃんが成長するための大切な食材です。一般的には離乳食中期・もぐもぐ期(7~8ヵ月)から与えることになっていますが、鉄・DHAと発達に大切な栄養素を含むため、カインデストでは小児科医監修のもと、離乳食初期・ごっくん期(5~6ヵ月)から少量与えて問題ないと考えています。
赤ちゃんの月齢に適した下ごしらえや保存方法を心がけて、離乳食にまぐろを取り入れてみてください。
Contents
まぐろに含まれる主な栄養素
まぐろに含まれる栄養素と働きは、以下のとおりです。
まぐろにはタンパク質や鉄が多く含まれています。白身魚だけでは不足しがちな鉄をまぐろで補えるので、アレルギー反応が出なければ、離乳食でぜひ与えたい食材です。
鉄は血液に含まれるヘモグロビンの生成に必要な物質ですが、生後6か月ごろを境に、体内に貯蔵されていた鉄が減少し始めます。鉄不足は貧血を引き起こすことがあるため、鉄を多く含むまぐろはうってつけの食材です。
またDHAも含まれているため、赤ちゃんの記憶力の向上に役立ちます。DHAは体内では生成できない不飽和脂肪酸のひとつで、認知機能や行動能力にもいい影響を与えます。アレルギー反応の有無を確認しながら与えるようにしましょう。
まぐろを使用した離乳食の進め方
一般的にまぐろをはじめとする赤身魚は、離乳食中期から与えるようにいわれています。しかし、アレルギー反応が白身魚より少なく栄養価が高いことから、つぶしがゆから与えてみて野菜、お豆腐と進めていき、食べられそうであれば離乳食初期から少しずつ与えても構いません。
月齢ごとの具体的なまぐろの量と固さは、以下のとおりです。
初めてまぐろを赤ちゃんに与える場合は、アレルギー反応が出ていないかを観察しながら少しずつ与えましょう。白身魚より少ないとはいえ、アレルギー反応が出ないわけではありません。詳しくは『まぐろを使用した離乳食を用意する際の注意点』で説明しています。
まぐろはスーパーでも手軽に買えますが、毎回調理をするとなると時間と労力がかかります。パウチ?を購入することで、下ごしらえなしで赤ちゃんに与えることができるうえ、ママ・パパの負担軽減にもつながり非常に便利です。
離乳食で使用するまぐろの選び方
まぐろなら何でもいいわけではありません。以下の条件を満たしたまぐろを与えるようにしましょう。
【離乳食で使用するまぐろの選び方】
- 新鮮なものから選ぶ
- 脂肪分が少ない赤身の刺身から選ぶ
- サクになっているものから選ぶ
- ノンオイルのツナ缶を選ぶ
食中毒を防ぐために、まぐろは新鮮なものを選んでください。透きとおった赤色をした、水分が出ていないまぐろが新鮮です。刺身用のサク状になったまぐろは、調理の面で手間が省けますし、余った場合はママ・パパがそのまま食べることもできます。
また、まぐろの部位は鉄が豊富な赤身の部分を選びましょう。脂肪分が多いと消化に時間がかかり、赤ちゃんの身体に負担となるため、離乳食での使用は避けた方がいいでしょう。す。ノンオイルのツナ缶を選べば、調理の手間がかかりません。同時に、缶詰はアレルギー反応を起こしにくい特徴もあるため、初めて与えるときにはツナ缶を検討してもいいでしょう。
離乳食で使用するまぐろの調理方法
まぐろを調理する際は臭みをとると赤ちゃんが食べやすくなるでしょう。購入後すぐ使うのか、冷凍保存するのかに関わらず、まぐろの臭みは下ごしらえの段階でとっておきましょう。
【離乳食で使用するまぐろの臭みをとる方法】
- ごく少量の塩をかけて揉み込む
- ペーパーで10分ほど包む
臭みをとった後に焼くか茹でるかの調理に移ります。焼くとパサパサになって食べにくいのであれば、茹でることでパサつきを解消できます。
また、まぐろを茹でる前に片栗粉をまぶしておきましょう。片栗粉をまぶしてくことで、茹でたときに固くなるのをある程度防ぐことができます。
離乳食で使用するまぐろの冷凍方法
まぐろを使うたびにお刺身を購入して少量を茹でていては準備が大変だなと思う人もいるかもしれません。です。少しでも手間を省くために、茹でてから冷凍保存するのがおすすめです。茹で時間が長いとまぐろがパサつく原因になるので、火が通ったらすぐにお湯からあげましょう。
製氷皿にほぐして小分けにしたり、フリーザーバッグに入れたりして冷凍保存します。
まぐろの離乳食に使えるおすすめのベビーフード
まぐろは、赤ちゃん
の成長に必要な鉄やDHAを補える重要な食材です。しかし調理に手間がかかるため、頻繁に与えることが難しい食材でもあります。
カインデストでは、まぐろと同じ赤身魚であるカツオを使ったベビーフードを取り扱っています。「カツオのピューレ/5パウチ」は離乳食中期から手軽に使える、赤身魚を使ったベビーフードです。下ごしらえの必要がなく、別の離乳食にアレンジすることも可能です。
赤身魚を使用した離乳食レシピ
まぐろをはじめとする赤身魚を離乳食で使用するときは、パウチ?を使うと便利です。下ごしらえの手間もかからず、簡単にアレンジできます。
赤身魚のパウチを使ってできる離乳食のおすすめレシピは、次のとおりです。
【赤身魚を使った離乳食レシピ】
- カツオの卵おじや
- かつおとかぼちゃのポテトサラダ
- カツオの竜田揚げ丼
カツオの卵おじや
「カツオの竜田揚げみぞれかけ」を使用した、離乳食後期から食べられるレシピです。おかゆ作りも含めて10分ほどで完成します。
【材料】
- カツオの竜田揚げみぞれかけ 大さじ3(約45g)
- 全卵 1/2個
- しょうゆ 少々
- 全がゆまたは軟飯 約80~90g(炊いたごはん40g、水80cc)
【作り方】
- 炊いたご飯に水を入れ、ラップをして電子レンジ500w~600wで3分ほど温めます。
- おかゆに卵を入れて軽く混ぜ、再度電子レンジで20~30秒ほど卵に火が通るまで温めます。
- しょうゆと「カツオの竜田揚げみぞれかけ」をかけ、混ぜ合わせます。
レシピで使用した「カツオの竜田揚げみぞれかけ」は以下の商品です。
かつおとかぼちゃのポテトサラダ
カツオは鉄分が豊富ですが、加熱するとパサつきやすいです。とろみをきかせて食べやすくした離乳食中期におすすめのレシピです。
【材料】
- じゃがいも 80g
- かぼちゃのピューレ(カインデスト) 20〜30g
- かつおのピューレ 25g
【作り方】
- じゃがいもは皮を剥き1cm幅でカットし耐熱容器に入れラップしレンジ600w 約4分
- 加熱し柔らかくなったらフォーク背で潰していく
- ①にかぼちゃのピューレ・かつおのピューレを入れよく混ぜる
- 硬い場合は水又は薄いかつお出汁で固さ調整する
レシピで使用した「かつおのピューレ」は以下の商品です。
カツオの竜田揚げ丼
離乳食後期から食べられるレシピです。ごはんと一緒に食べごたえ満点の一品でしょう。
【材料】
- カツオの竜田揚げみぞれかけ 大さじ3(約45g)
- 味噌 少々
- 全がゆ(軟飯) 約80~90g
【作り方】
- 器に盛ったあたたかいおかゆに味噌を混ぜます。
- 「カツオの竜田揚げみぞれかけ」をかけます。
レシピで使用した「カツオの竜田揚げみぞれかけ」は以下の商品です。
まぐろを使用した離乳食を用意する際の注意点
食品表示法で指定されている、アレルギー症状を引き起こしやすい食材28品目に、まぐろは含まれていません。しかし、魚介類アレルギーという形で次のような症状が出る可能性があります。
【魚介類アレルギーで起こる症状】
※食物アレルギー厚生労働省のページを参考に作成
まぐろの場合、食べたその時に「口腔アレルギー症候群」と呼ばれる反応が出ることがあるかもしれません。初めてまぐろを与えた後は、1時間ほど様子を見て、異常があれば病院を受診しましょう。