子どもとの関わり方に正解はない【ふじこせんせい】

子育てはうれしいことや楽しいことばかりではなく、ときには悩んだり、孤独に感じることだってあります。

家族みんなが笑顔で心身ともに健康で過ごすためにも、ときには何かに頼ることも大事。

「the kindest mama」は、育児や家事、仕事を頑張る人たちのストーリーを通じて何かに頼ることへのネガティブな想いを減らし、愛するわが子の身体と心、家族の絆をつくる食育の大切さを伝える、世の中のママパパを応援するインタビュー企画です。


今月の「the kindest mama」は、YouTubeやInstagramで子育てにまつわる情報を発信する元保育士の「ふじこせんせい」さん。

SNSで活動しながら、2人のお子様の育児に奮闘する「ふじこせんせい」さんに、保育に携わるきっかけや子どもと関わるうえで大切にしていることなどを伺いました。

子どもに囲まれて育った幼少期、いつしか夢が“保育士”に

愛媛県出身で、3つ下の弟がいます。
最寄りのコンビニもかなり遠い、自然な豊かな環境で育ちました。

親戚がみんな近くに住んでいて、たくさんいるいとこの中で私が一番年上だったんですよね。
弟や妹がいっぱいいるような感覚で、幼少期のときから赤ちゃんと遊ぶのが大好きでした。

また、周りの大人もみんな子どもに優しくて。
そんな姿を見て、子どもと接するのって楽しいんだと思えました。

特に保育園に通っていたときの先生が大好きで、今でも連絡を取るくらい尊敬しています。
こんな先生になりたいなというあこがれもあって、卒園文集にも保母さんになりたいと書きました。

子どもに囲まれた環境で育ったことと、子どものときに見た身近な大人を見て、自然と保育士になりたいと思うようになりましたね。

憧れの保育士になって経験した現実とのギャップ

保育士になりたいという夢を持ったまま、学生生活を過ごしました。

特に短大での保育の勉強がとても楽しく、いつも一番前の席に座って授業を聞いていました。
特段優秀な生徒というわけではないのですが、意欲だけはあって(笑)

念願の保育士になっていざ働いてみると、
自分の理想とする保育ができないことにもどかしさを覚えることが多々ありました。

私のモットーは「寄り添う保育」。
ですが、現場に出ると時間の制約があったり園の方針があったりとなかなか難しかった。

例えば、一人の子が「パジャマにお着換えするのが嫌だ」ってぐずってしまったとき。
受容と共感が大事と思っていたので、私としてはできることなら子どもの気のすむまで向き合いたかったのですが、他の子もいるし、別のクラスの先生の目も気になる。

そんな葛藤がありつつ、子どもは好きなんだけど自分の理想とする保育がうまくいかないという日々が続きました。
次第に「私は向いてないんじゃないかな」と思うようになってしまい…

命を守ることもだんだん重圧に感じるようになり、いろんなことが重なって結局2年でやめてしいました。

5歳のときから15年追いかけた夢だったこともあり、保育士になることがゴールになっていたんだと思うんです。
ずっと保育士になりたいと周囲に言っていたのでやめたことを知った人たちはとても驚いていましたね。

「保育士になりたい」から「子どもと関わる仕事がしたい」に

保育士を辞めた後は、興味のあったアパレルの会社に就職。
お客様のことを第一に考える素敵な会社で、ビジネスの根本や働く意味を学びました。

なんといっても、目的達成のために自らPDCAをまわすことなど、社会人として当たり前のことができるようになりましたね。
年数を重ねるに連れて役職も任されるようになったのですが、そのときにちょうど1冊の自己啓発本に出会ったんです。

その本を手に取ってから、自分と向き合うようになり、自分が好きなことは何かを深く考えさせられましたね。
突き詰めていくと、やっぱり子どもたちと関わる仕事がしたい―と。

ただ、前と違うのは「保育士になりたい」ではなくて、「子どもと関わることがしたい」ということでした。
当時は女性起業家も増えていたことから起業することも視野に入れたのですが、

まだ保育現場で知らないことや足りない部分あるのではないかと思い、自分のしたいことを実現する一つの方法として保育士に復職することを決めました。

会社員の経験もあり、仕事に取り組む姿勢も以前と大きく変わり、受動的ではなくて、能動的に働くことを心掛けました。

子どもたちとの時間を作るために、どうすれば他業務を効率良くできるか必死に考えるようになり、持ち帰りの仕事をなくすように仕事の断捨離を園長に提案することもありましたね。

そのように働くスタンス変えてからは、徐々に自分の理想とする保育も体現できるようなり、好循環が生まれるようになりました。

発信するコンテンツを子育ての引き出しにしてほしい

保育士の経験で、良かったなと思った声掛けや、手遊びなどを記録もかねて趣味でYouTubeの動画投稿を始めました。

アパレルの会社に勤めていたときに店舗のインスタをやっていたので、自分で撮影して、スマホで編集するのもそんなに苦ではなくって。

当時は保育士出身の投稿者も少なかったので、子育て家族を中心に多くの方が見てくださるようになり、
ありがたいことに今ではYouTubeとInstagram合わせて計10万人以上の方にフォローをいただいています。

子どもとの関わり方は正解がありません。
でも引き出しは多ければ多いほど良いなと思っています。

今は子どももできて、保育士目線だけじゃない母親としての発信もできるようになりました。

私は歌が上手じゃなくて、音が外れることもあるんですが(笑)
これからも子育て家族の皆さんに少しでも良いなと思ってもらえるようなコンテンツを作っていきたいですね。


<プロフィール>
ふじこせんせい
保育士Youtuber

愛媛県出身。保育所で働いた後、「保育士YouTuberふじこせんせい」として、保育者、子育て家族ら子どもとかかわる人に向けて情報を発信している。SNS総フォロワー10万人以上。保護者向けの講演会に登壇するなど活動の幅を広げており、著書「考え方ひとつで毎日が変わる ふじこせんせいのもっと保育を楽しむためのアドバイス100」を出版している。

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