何もせず、ただ子どもと向き合う時間を大切に【髙橋礼華】

子育てはうれしいことや楽しいことばかりではなく、ときには悩んだり、孤独に感じることだってあります。

家族みんなが笑顔で心身ともに健康で過ごすためにも、ときには何かに頼ることも大事。

「the kindest mama」は、育児や家事、仕事を頑張る人たちのストーリーを通じて何かに頼ることへのネガティブな想いを減らし、愛するわが子の身体と心、家族の絆をつくる食育の大切さを伝える、世の中のママパパを応援するインタビュー企画です。


今月の「the kindest mama」は、元バドミントン選手で2016年のリオオリンピックでは金メダルを獲得した実績をお持ちの髙橋礼華さん。

昨年出産し、現在離乳食をスタートしたばかりの女の子のママ。今しかないからこそ、子どもと過ごす時間を何よりも大切にしているという髙橋さんにお話をうかがいました。

いろんな経験をした上で、飛び込んだバドミントンの世界

小さいときは母の化粧道具を勝手に使ったり、おままごとや人形遊びなど、何にでも興味を示す子どもだったと思います。妹とセーラームーンごっこをしたり、女の子のものがすごく大好きでした。

小学校に上がって、母が通っていたママさんバドミントンについていく中で、自分もラケットを握るようになったのがきっかけでバドミントンを始めました。ただ、そのときはバドミントン一筋というよりは、水泳やピアノ、塾にも通っていて、小4の時にバドミントンと塾に絞ったんですね。

その後、小学校から対戦したことのあった松友選手とペアを組みずっとプレーしてきたのですが、東京オリンピックを節目に引退をもともと考えていたこともあり、2020年に引退。同じチームに所属していたバドミントン選手の金子祐樹さんと結婚。翌年には第一子となる女の子を出産しました。

母はなんでも相談できるともだち

つわりはそこまでひどくない方だったと思うのですが、もともと現役時代から貧血持ちだったこともあり、何度か倒れたことがあったんです。妊娠中はつわりと重なって冷や汗がでたり、倒れかけたことも。

また、食べづわりのタイプだったので、食べないと気持ち悪くなったり、吐けないことが逆にしんどかったりしました。9ヶ月頃になると、今度はお腹が大きくなってトイレが近い、夜眠れない日々が続きました。

安定期に入ってから臨月に入る頃まで、夫が海外遠征に行った時期があったのですが、コロナ禍で人と会うこともできずに周りに頼ることができませんでした。ただ、ちょうど安定期だったこともあり、のんびり過ごすことができました。もしつわりの時期と重なっていたら、実家に帰っていたと思います。

出産前後は里帰りしていたので、実家で母にサポートしてもらっていました。
私自身、睡眠が大事なタイプなので、産後眠れない日々が続いたのがとてもしんどくて。寝ている間に母に子どものお世話をお願いしたりもしていました。

母とは昔から友だちのような関係なので、何かあったらすぐに相談できるのでとても安心します。たまに自分も、夫に世話を焼くところが「あ、お母さんに似てるな」って思います。

自宅に戻ってからも、夫が遠征などにいくタイミングでワンオペになるので、実家に帰ることもしばしば。

ただ、今はもう育児にも慣れてきて私も仕事を徐々に復帰しているので、シッターさんも今後はうまく使っていきたいなと思っています。
少し前までは、シッターさんを使ってリフレッシュしたり、仕事することに罪悪感もあったのですが、お母さんが息抜きすることも大事、というのを聞いて、自分の中でバランスよく取り入れていきたいなと思うようになりました。

今しかない子どもとの時間を大切にしたい

ママになったからといって、特に自分のやりたいことは変わっていません。
ただ、子どもとこうして一緒に過ごす時間は今しかないので、今は子育てを優先したいなと思っています。

家事や仕事をしていないときは、なるべく子どもと向き合う時間を大切にしています。
たくさんハグして、たくさん話しかけて、親バカかと思うくらい、しっかり愛情を注いでいます。子育ては思っていた以上に大変ですが、それでも可愛いが勝つんですよね。

自分がそうだったように、将来娘と友だちのような関係を築いていきたいな、と思っています。
子供が大きくなって落ち着いたら、また大好きなバドミントンの楽しさを子どもたちに伝えていきたいなと思っています。

それまでは、今しかない子どもとの時間を何よりも大事にしていきたいです。


<プロフィール>

髙橋 礼華

元バドミントン選手

1990年4月19日 奈良県出身。
中学から親元を離れ聖ウルスラ学院英智中学校へ入学。高校時代に1学年後輩の松友美佐紀選手とダブルスのペアを組んだ。その後様々な国際大会で活躍し、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは日本のバドミントン史上初となるオリンピックでの金メダルを獲得するなど、数々の金字塔を打ち立てた。
2020年に現役を引退。現在は後進育成に取り組みながら、バドミントン界の更なる発展のために尽力している。また一児の母としても子育てに奮闘中。

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