離乳食中期・もぐもぐ期(7~8ヵ月)の進め方は?献立・レシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

この記事では、少しでもママ・パパの負担を減らし、『お子さまや家族との時間を増やして欲しい』という想いから離乳食についての内容をまとめました。完璧に離乳食を進めることよりも、お子さまが一番成長するこの離乳食のタイミングを大切に楽しみながら、焦らず慌てず、大人がお子さまの成長に合わせて離乳食を進めてあげられることが一番だと思っています。

離乳食をはじめて2ヶ月ほどたつと、離乳食の中期に入ります。月齢で言うと、7ヶ月~8ヶ月頃です。
赤ちゃんはだんだん活発になってきて、おすわりも上手になってきます。

離乳食の回数は1日2回。
初期の離乳食とは量や固さも変わってくるので、次のステップに進む前に、中期離乳食の進め方をしっかり確認しておきましょう。
今回は、離乳食中期の献立や調理のポイントとともに食べさせる時の注意点についてもまとめました。

忙しいパパやママのために、ベビーフードの活用方法も紹介しています。
中期離乳食の基本をマスターして、スムーズに離乳食を進めましょう。

離乳食中期(7~8ヶ月)離乳食の進め方

中期離乳食は、もぐもぐ期ともいわれ、赤ちゃんが食べ物を舌でつぶして飲み込む練習をする時期です。
赤ちゃんが7~8ヶ月頃が目安ですが、2回食をしっかり食べられるようになってから中期の離乳食を進めましょう。

初めてあげる食材は1回の離乳食につき1食品にして、小さじ1杯だけあげるようにします。
慣れてきたら、少しずつ量を増やしましょう。

離乳食前に授乳すると、赤ちゃんがおなかいっぱいになって離乳食を食べなくなることがあるので、授乳は基本的に離乳食を食べてからがおすすめです。
ただ空腹になりすぎると機嫌が悪くなり離乳食を食べないことがあるので、その場合は少し授乳してから離乳食をあげても良いでしょう。

離乳食中期は、母乳やミルクからの栄養がメインになります。
離乳食後の授乳は、赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう。

離乳食の進め方(離乳食中期)のポイント
・月齢は7~8ヶ月頃を目安に
・1日2回の離乳食を問題なく食べている
・初期の離乳食を口に取り込んで、唇を閉じて「ごくっ」と飲み込めるようになったら中期へ進む
 進め方について詳しく知りたい方はこちら。
 ⇛記事「離乳食はいつから始めるべき?進め方やスケジュール」
・母乳・ミルクは欲しがるだけあげてOK
・初めての食材は1食品だけで小さじ1杯から

離乳食中期(もぐもぐ期)へ移行する目安

離乳食中期の目安は、月齢7~8ヶ月頃です。しかし月齢だけで判断せずに、赤ちゃんの様子に合わせて進めましょう。
中期の離乳食に進めるときの目安は以下の通りです。

離乳食中期(もぐもぐ期)へ移行する目安
・食べ物を口に取り込んで、唇を閉じて「ごくっ」と飲み込める
・1食でごはんと野菜を食べられる
・安定したおすわりができる

初期の離乳食をうまく飲み込めない場合、中期に進むのはまだ早いでしょう。
7~8ヶ月は目安なので、あせらずに赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めてください。

離乳食中期(もぐもぐ期)の大きさと固さの目安

中期の離乳食で使う食材の、大きさや固さの目安を確認していきましょう。

離乳食中期の大きさと固さの目安
・おかゆは7倍粥。中期の後半(8ヶ月頃)は全がゆまたは5倍がゆ
・指ですぐつぶせる固さ(豆腐の固さくらい)
・大きさは2mm角くらいからはじめて、4㎜角程度まで

中期の離乳食に進んで急に食べなくなった場合は、食材が固すぎたり大きすぎる可能性があります。
これまでの滑らかな舌触りから、粒々の食感に変わったことに違和感があるのかもしれません。
片栗粉でとろみをつける、モロヘイヤなどもともと粘りのあるものと混ぜるなどして、舌触りを滑らかにしてあげると食べることもあります。

食材の大きさや固さを調整しながら離乳食を進めましょう。
ムリをせず、赤ちゃんの様子を見ながらステップアップしましてくださいね。

参考:「厚生労働省 離乳食P12 離乳食の進め方の目安」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf

離乳食中期の1回あたりの食事目安量

離乳食中期の食材は、穀類と野菜・果物、タンパク質類をバランスよく取り入れましょう。
離乳食中期に食べられる量の目安は以下の通りです。

参考:厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイドhttps://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

離乳食中期のお食事タイミング

離乳食中期の食事を食べるタイミングは、1日2回です。午前中と午後に1回ずつ食べましょう。

初めて食べる食材は、病院を受診しやすい午前中に、食べ慣れた食材は午後にあげるようにします。

離乳食中期の赤ちゃんは、上あごと舌を使って食材をつぶします。
離乳食を与えるときは、平らなスプーンを下唇につけて、赤ちゃんが口を閉じるのを待ちましょう。
無理に口の中に押し込んだり上顎に擦り付けたりせず、赤ちゃんが自分で「あむっ」とするのを待ちます。

赤ちゃんが離乳食を飲み込みやすいようにとろみをつけたり、舌でつぶせる固さにしたりといった工夫も大切です。

参考:「厚生労働省 離乳食P14 <参考2>咀しゃく昨日の発達の目安について」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf


離乳食中期で知っておくべきこと

中期の離乳食を進めるにあたり、押さえておきたいポイントを確認しましょう。

離乳食で1日に必要な栄養の1/3を摂取できる

離乳食中期では、1日に必要な栄養の1/3を食事からとることを目標にしましょう。
そのためには、バランスを考えた献立作りが大切です。

バランスのよい食事をとるためには、炭水化物・ビタミン・タンパク質を含む食材を使う必要があります。初期の離乳食では使える食材が限られていましたが、食べられる食材が増えた中期であれば、バランスのとれた献立も作りやすいでしょう。

離乳食中期に使える食材

離乳食中期に使える食材を確認しておきましょう。

卵は、半熟や生ではなく、固めのゆで卵の黄身からスタートします。
十分につぶしてから、だし汁・スープなどでのばして、滑らかなペースト状にしましょう。
黄身に慣れてきたら、白身を与えるようにします。

牛乳は、飲用とするのはまだ早いですが、調理用としてなら、使っても問題ありません。

初期の離乳食に比べて食べられる食材が増えたとはいっても、大人と比べるとまだまだ使える品数が少ないのが離乳食中期です。

注意が必要な食材のひとつとしてあげられるのが「はちみつ」です。
はちみつにはボツリヌス菌が含まれ、1歳前の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
はちみつを食べるのは、赤ちゃんが1歳を過ぎてからにしましょう。
1歳を過ぎて腸内環境が整うと、ボツリヌス菌はほかの腸内細菌に負けてしまうので、はちみつを食べても問題ありません。

参考:「中野区医師会 離乳食ブック P13」https://www.nakano-med.or.jp/kosodate/images/rinyushoku_book.pdf

はじめての食材が増える時期に注意すること

離乳食ではじめて口にする食材は、赤ちゃんの体調がよいときにあげましょう。
便秘や下痢をしているときは避け、元気があって機嫌のよいときにチャレンジします。

また、はじめて食べる食材は1日1品にしてください。
はじめての食材をいくつも食べてしまうと、アレルギー反応が出たときに、どの食材が原因なのか判断できません。

作り置きや冷凍にはベビーフードの活用がおすすめ

ベビーフードは、離乳食づくりの負担を減らせるアイテムです。

離乳食中期は、1回の量が少ないのに調理に手間がかかるので、毎回手作りするのは大変ですよね。
ベビーフードなら、面倒な下ごしらえは不要で、栄養バランスを考えた献立づくりも必要もありません。

食材や固さは月齢に合わせて作られているので、安心して赤ちゃんに与えられます。
小分けして冷凍しておけば、作り置きをしなくても、必要なときにさっと用意できるのも魅力です。

毎日の離乳食づくりの手間を軽減させるためにベビーフードを活用してみましょう。

中期(7〜8ヶ月)について詳しく知りたい方はこちら。
⇒記事「ベビーフード7~8ヶ月におすすめ17選!失敗しない選び方とは」


離乳食中期の献立・レシピ

離乳食中期におすすめのレシピを紹介します。
手軽にできるので、献立作りに役立ててください。

離乳食中期のレシピはこちら


離乳食中期のQ&A

離乳食中期に、多くのパパやママが悩む疑問についてまとめました。

形があるものを口から出してしまう

回答:中期の離乳食にステップアップしたことで、舌触りが変わり嫌がっているのかもしれません。
まずは、食べ慣れた食材や赤ちゃんが好きな食材からスタートしましょう。
赤ちゃんが慣れるまでは、形のある食材は1品だけにして、残りは初期の形状のままにするのもおすすめです。
また、とろみをつけることで食べられるようになることもあります。
あせらず赤ちゃんのペースで進めましょう。

急に離乳食を食べなくなった

回答:これまで順調に離乳食を食べていたのに、急に食べなくなるのはよくあることです。
まだまだ食べムラのある時期ですし、好き嫌いが出てくる子もいます。
たとえ食べなかったとしても、ひと通りメニューは用意して離乳食の時間に出しておきましょう。

・離乳食をあげる人を変えてみる
・食べる場所を変えてみる
・椅子の高さを調整する
・食具を変えてみる
・離乳食の温度を調節する

このように色々試しながら、赤ちゃんが食べやすい方法を探してみましょう。
ふとした時に興味をもって食べることもありますよ。回答:基本的に必要ありません。
生後6ヶ月頃まではママからもらった免疫で守られていた赤ちゃんですが、それ以降は自分で免疫を作っていかなくてはなりません。

手足やおもちゃを口に入れて常在菌に触れるうちに、徐々に免疫もついてきます。
食器に関しても、通常のお手入れで清潔に保たれていれば、離乳食のたびに消毒する必要はありません。

もぐもぐしないで飲みこんでしまう

回答:離乳食の形状が滑らかすぎる可能性があります。
そのままでも飲み込めるので、もぐもぐしないのかもしれません。
離乳食中期の食材は、粒々が残る豆腐くらいの固さが目安です。
赤ちゃんが上あごと舌を使って、食材をつぶせているかを確認しながら進めましょう。

離乳食中期は食器の消毒は必要?

回答:毎日消毒する必要はありません。
大人の食器と同じお手入れでよいでしょう。
離乳食作りに使ったまな板や包丁などの調理器具も清潔を保つよう気をつけましょう。

便秘のときはどうしたらいい?

回答:赤ちゃんが便秘のときは、食物繊維の多い食材を取り入れましょう。
さつまいも・ほうれん草・バナナなどがおすすめです。

ただし、次のようなケースは注意が必要です。
・いきんでも便が出てこない
・泣き叫ぶ
・お尻が切れる
・便の頻度が週に2回以下である

このような場合は小児科の受診をおすすめします。

下痢のときはどうしたらいい?

回答:下痢であっても、赤ちゃんの機嫌がよく食欲があれば、離乳食を食べさせても大丈夫です。
下痢のときは水分不足になりやすいので、水分を十分に与えてください。

下痢の時でも、基本的には母乳や育児用ミルクを飲ませます。
育児用ミルクは、自己判断で薄めないようにしましょう。

下痢が1日8回以上頻回にある場合は、子供用のイオン飲料やりんごジュースもおすすめです。
柑橘系のジュースは下痢が悪化する可能性があるので避けてください。
3~4日以上下痢が続く場合は、便がついたオムツを持って小児科を受診しましょう。

食べすぎる気がするんだけど好きなだけ食べさせてもいいの?

回答:栄養バランスや離乳食の時間を守っているのであれば、基本的には赤ちゃんが食べたいだけ食べさせてもよいでしょう。
ただし、体重が増えすぎていたり、下痢や便秘になったりする場合は、離乳食の量を調節する場合もあります。きになる場合は受診し相談しましょう。