【この記事の監修者】稲葉可奈子 医師・医学博士・産婦人科専門医 京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得、現在は関東中央病院産婦人科医長、双子含む四児の母。老若男女問わず生き生きと活躍できる日本を目指して、病気の予防や性教育など生きていく上で必要な知識や正確な医療情報とリテラシー、育児情報などを、SNS、メディア、企業研修などを通して効果的に発信することに努めている。
出産を目前に控え、お腹も大きくなる妊娠後期には、胃が圧迫されて食べたくても食べられないなどの問題が出てきます。しかし、それでも赤ちゃんへの栄養補給は欠かせないので、食事には気を付けたいところです。
そこで今回は、妊娠後期の食事についてのお話です。妊娠後期において特に意識したい栄養素や、おすすめの食べ物、献立例を紹介しているので、健康的に妊娠生活を終えるための参考にしてみてください。
Contents
妊娠後期の食事
妊娠後期に入ると、出産に向けて赤ちゃんが急速に大きくなります。そのため、葉酸や鉄分、カルシウムはもちろん、タンパク質など、さまざまな栄養が必要に。バランスの良い食事で必要な栄養素を補えるように心がけましょう。
妊娠後期には、妊娠前よりも450kcalほど余分にエネルギーを摂取することが推奨されているため、栄養バランスを考えながら間食を上手に取り入れたエネルギー補給も意識したいところです。
また、妊娠中をとおして副腎から体内に水分を保持する黄体ホルモンが分泌されるため、ママはむくみやすくなります。さらに赤ちゃんの成長に伴い、心臓から脚の付け根の血管が圧迫されるため、特に後期はむくみやすいので食事も塩分を控えめにして、食物繊維の多い野菜や水分を多めにとるなどの工夫が必要です。
妊娠後期に必要な栄養素
すべての栄養素をバランス良く摂取することに加え、妊娠後期は特に下記の栄養素を意識して摂る必要があります。
- 葉酸
- 鉄分
- カルシウム
- タンパク質
- 食物繊維
葉酸、鉄分、カルシウムは妊娠中をとおして必要な栄養素だと言われていますが、タンパク質や食物繊維も妊娠中には欠かせません。特にタンパク質は赤ちゃんの成長のメインの栄養素となり、後期にはママの体に必要な量が増えることから、意識しておきたい栄養素であると言えます。
葉酸
葉酸は赤ちゃんの細胞の分裂や成熟に関係する栄養素であり、また赤ちゃんの先天性異常の予防に役立つと言われています。そのため、妊娠期間前から重要な位置づけにある栄養素です。特に妊娠初期において重要度が高いとされているため、食品から摂取する葉酸(食事性葉酸)に加えて、サプリメントなどから摂れる葉酸(狭義の葉酸)の摂取も推奨されています。
しかし、中期、後期に入ると食事性葉酸の推奨摂取量は上がるものの、狭義の葉酸(サプリメント)から葉酸を摂取する必要性は下がります。そのため、中期から後期にかけては基本的に食事から葉酸を補うことになるでしょう。
■妊娠中~授乳期の推奨摂取量
初期 | 中~後期 | 授乳期 | |
食事性葉酸 | 240 | 480 | 340 |
狭義の葉酸 | 400 | – | – |
単位:μg/日
葉酸を含む食材には、たとえば下記のようなものがあります。
【葉酸を含む食べ物】
- 納豆 1パック(葉酸:60μg)
- ブロッコリー 約1/2株※茎を除く(葉酸:120μg)
- ほうれんそう 約1/2束(葉酸:110μg)
など
注意したいのが、特定の食品のみで推奨摂取量をカバーしようとしないこと。たとえば納豆だけで推奨摂取量を達成しようとすると、1日8パックも食べる必要があります。当然ですが、納豆には葉酸以外の栄養素もあるため、過剰摂取による健康被害も考えられます。
葉酸の推奨値はクリアできたとしても、健康に害が出るようでは本末転倒です。そのため、他の栄養素とのバランスを考えながら、推奨値を達成できるように食事内容の工夫していきましょう。
鉄分
鉄分は血液中の酸素を身体の各器官に送り届けてくれる栄養素ですが、妊娠中には下記のような役割があるため、その需要が高まります。
- 赤ちゃんの成長に伴う鉄貯蔵
- 臍帯・胎盤中への鉄貯蔵
- 循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要
妊娠初期から重要な栄養素ではありますが、特に中期から後期にかけてその需要が高まると言われています。そのため、推奨摂取量も中期から後期には、初期の倍以上に増加します。
初期 | 中~後期 | 授乳期 | |
推奨摂取量 | 8.5~9 | 21~21.5 | 8.5~9 |
単位:mg/日
鉄分を含む食材は、植物性(非ヘム鉄)と動物性(ヘム鉄)があり、非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が5~6倍も吸収力が高いとされています。非ヘム鉄である野菜や穀類などで鉄分を補っているつもりでも、それほど摂取できていなかったということもあり得るので注意しておきましょう。
【鉄分を含む食べ物】
- 枝豆 両手に大盛り一杯分程度(鉄分:2.5mg)
- 牛ヒレ肉(赤身)100g(鉄分:3.5mg)
- 小松菜 約1/2束※2株程度(鉄分:2.8mg)
など
カルシウム
赤ちゃんの歯や骨の形成に欠かせないカルシウムは、日本人女性に不足しがちな栄養素だと言われています。赤ちゃんは基本的にママがとった食事からカルシウムを摂取していますが、カルシウムが不足した場合はママの骨から補給することになります。
そのため、カルシウムが不足するとママの骨が脆くなる骨粗しょう症のリスクが高まります。また、カルシウムには脳の興奮を抑える作用もあるため、不足すると精神的な落ち込みやイライラにつながることも考えられるでしょう。
妊娠中にカルシウムを余分に摂る必要はないとされていますが、それは推奨摂取量である650mg/日をカバーできていることが前提です。先にも触れていますが、日本人女性はカルシウムが足りていないため、妊娠中には意識して摂取する必要があります。
【カルシウムを含む食べ物】
- ヨーグルト 大さじ6弱(カルシウム:120mg)
- ししゃも 8~9匹(カルシウム:328mg)
- 豆腐 1/3丁(カルシウム:43mg)
など
タンパク質
筋肉や臓器の形成、酵素やホルモン、免疫物質を合成する役割を持つタンパク質。赤ちゃんの成長のメインとなるため、妊娠中も必須の栄養素です。妊娠初期には通常時と同じ推奨量の50g/日で十分でしたが、中期から後期にかけてはその出番が増えるため、下記のように推奨摂取量も増加。中期から後期にかけては特に意識したい栄養素となっています。
■妊娠中~授乳期の推奨摂取量
初期 | 中期 | 後期 | 授乳期 |
50 | 55 | 75 | 70 |
単位:g/日
タンパク質を含む食材は意外に多く、またイメージしやすいため、前述した葉酸などに比べると比較的、推奨量を達成しやすいでしょう。
【タンパク質を含む食べ物】
- 鶏ささみ 100g(タンパク質:24.6g)
- 牛もも肉 100g(タンパク質:28.0g)
- めかじき 100g(タンパク質:27.5g)
など
食物繊維
妊娠後期に入ると体内に水分を溜め込む黄体ホルモンの分泌が活発になり、便の水分も奪うことからお通じが悪くなる人も多くいます。そのため、特に後期に意識して摂りたいのが食物繊維です。
厚生労働省が公開している「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、妊娠中だから食物繊維の摂取量を増やすべき、とはされていませんが、目標値として18g以上/日の摂取を推奨。なかなか便が出ないからといってお腹に力を入れてしまうと、子宮を圧迫してしまい早産などのリスクを上げてしまうため、食物繊維の摂取を心がけて快便を目指しましょう。
ただし、食物繊維には不溶性と水溶性があり、不溶性の食物繊維は取り過ぎてしまうと便秘を悪化させます。そのため、2種類の食物繊維をバランス良く摂取するように心がけましょう。また、食物繊維を意識して摂るだけでなく、出産に向けての体力作りもかねて運動も行うと、より便秘改善効果が高まります。
【食物繊維を含む食べ物】
- 押し麦 100g(水溶性6.0g:不溶性3.6g)
- ごぼう 2/3本(水溶性2.7g:不溶性3.4g)
- かぼちゃ 1/12個(水溶性0.8g:不溶性2.8g)
など
妊娠後期におすすめの食べ物
妊娠後期におすすめの食べ物は下記のとおりです。
食べ物 | 主な栄養素 | 食べられる時期 |
|||
妊娠8ヵ月 (28~31週 |
妊娠9ヵ月 (32~35週) |
妊娠10ヵ月 (36~39週) |
授乳期 |
||
小松菜 | 鉄分・葉酸・カリウム | ○ | ○ | ○ |
○ |
押し麦 | 食物繊維・タンパク質・ビタミン類 | ○ | ○ | ○ | ○ |
小魚 | カルシウム・EPA・DHA | ○ | ○ | ○ | ○ |
あさり | 鉄分・カルシウム・ビタミンB₁₂ | ○ | ○ | ○ | ○ |
納豆 | 鉄分・葉酸・タンパク質 | ○ | ○ | ○ | ○ |
えだまめ | 葉酸・食物繊維・鉄分 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ブロッコリー | 葉酸・ビタミンC・タンパク質 | ○ | ○ | ○ | ○ |
キノコ類 | 葉酸・ビタミン類・ミネラル類 | ○ | ○ | ○ | ○ |
高野豆腐 | タンパク質、カルシウム、鉄 | ○ | ○ | ○ | ○ |
いわし | タンパク質、カルシウム、DHA | ○ | ○ | ○ | ○ |
お通じが良くない人は、水溶性と不溶性がバランスよく含まれている押し麦を白米に混ぜて炊けば、手軽に食物繊維を摂取できます。また、小松菜は塩分の排出をサポートするカリウムが含まれているので、妊娠後期のむくみ軽減に効果が期待できるでしょう。
妊娠後期の献立メニュー例
妊娠後期はお腹が重く、長時間立っているのもツラい時期です。そのため、短時間でさっと作れるメニューがおすすめ。つわりがぶり返す「後期つわり」がある人もいるので、無理せず食べられるものを選択しましょう。
今回、紹介しているのは妊娠後期におすすめのメニューではありますが、「好みの味」や「食べられるかどうか」の問題もあるので、作れそう、食べられそうなものがあれば参考にしてみてください。
朝の献立メニュー
人によりますが、妊娠後期は子宮が大きくなる関係で、ご飯を食べたあとに気持ち悪くなることもあります。朝からどんよりとした気分にならないためにも、消化しやすく食べやすい食材を選択するとよいでしょう。
参鶏湯風おかゆ
鶏もも肉からタンパク質、鉄分やビタミン類を補給できる朝ご飯です。朝からほっとする温かいご飯で体温を上げると、日中の活動もスムーズになるでしょう。写真のように野菜を追加すれば、よりバランスのよい食事になります。お好みで溶き卵を追加するのもおすすめです。
【材料】
- ごはん 100g
- 鶏もも肉 50g
- にんにく 1片
- しょうが 5g
- 水 300ml
- 鶏ガラスープの素 小さじ1
- 塩 小さじ1/4
- こしょう 適量
【作り方】
- しょうがは皮をむいてすりおろし、にんにくは薄切りにする。
- 鶏もも肉は一口大に切る。
- 鍋に水と1、2を入れて火にかける。
- 沸騰したらアクをとり、ごはん、鶏ガラスープの素を入れて混ぜる。
- 中火で3分程煮込む。
- 鶏もも肉に火が通り、ごはんがやわらかくなったら塩、こしょうで味を調える。
- お好みで小ねぎとごま油をかけたら完成。
鶏肉の春雨スープ
食欲のない朝でも食べられる一品。もやしには余分な塩分や水分の輩出を促すカリウムや、疲労回復・スタミナ増強効果のあるアスパラギン酸が含まれているため、妊娠後期に最適。また、お好みで水菜をプラスすれば、葉酸や体内でビタミンAに変わるβ-カロテンを摂取できます。もも肉を手羽元に変えれば包丁いらず。ナンプラーの匂いがキツい場合は、しょうゆで代用も可能です。
【材料】
- 鶏もも肉 1/2枚
- もやし 1/3袋
- 春雨 20~30g
- ☆水 600cc
- ☆鶏ガラスープの素 小さじ2
- ☆ナンプラー 大さじ1/2
- ☆すりおろししょうが 1cm
【作り方】
- 食べやすい大きさに切った鶏肉と春雨を☆を入れて煮立たせた鍋に入れる。
- 鶏肉に火がとおったら、もやしを入れて完成。
オーバーナイトオーツ
オートミールは妊娠後期のお通じ改善に役立つ食物繊維が豊富に含まれているだけでなく、鉄分や葉酸、カリウム、カルシウムなども摂取できます。前日の夜にオートミールを牛乳、もしくは豆乳に漬けておくだけ。あとはいちごやアーモンド、お好みのフルーツをトッピングすれば完成するお手軽朝ご飯です。
【材料】
- ☆オートミール 3/4カップ
- ☆豆乳 1/2カップ
- ☆ヨーグルト 大さじ3
- お好みのトッピング(いちご、アーモンド、バナナなど) お好みの量
【作り方】
- ☆の材料を器に入れて混ぜ、冷蔵庫で20分から一晩寝かせる。
- いちごやアーモンドなど、好みのトッピングをすればできあがり。
昼の献立メニュー
午後からも元気に活動するためにはエネルギーが必要不可欠。消化に時間がかかる動物性タンパク質を取り入れると腹持ちが良くなるのでおすすめです。
野菜たっぷりビビンバ
ほうれんそうやもやし、にんじんなど、さまざまな野菜から妊娠後期に嬉しい栄養素を補給できます。また牛肉やゆで卵からは良質なタンパク質が摂れるうえに、ゆっくり消化されるため腹持ちも抜群。食べすぎ防止にもなるでしょう。
【材料】
- ごはん 150g
- 牛肉 100g
- 焼き肉のタレ 大さじ1
- ゆで卵 1/2個
- ほうれん草1/2束
- もやし1/2袋
- にんじん1/2本(約80g)
- ☆ごま油 大さじ1と1/2
- ☆白ごま 大さじ1
- ☆しょうゆ 大さじ1/2
- ☆鶏がらスープの素 小さじ1/3
【作り方】
- にんじんは4~5cmに細切りに、ほうれんそうも4~5cmにカットする。
- ☆を混ぜておく。
- 鍋にお湯を沸かし、にんじん、ほうれんそうの茎、葉、もやしの順に入れて茹でる。
- 牛肉はフライパンで焼いて、焼き肉のタレで味をつける。
- 器にごはんを盛り、その上に具材をのせて完成。
ほうれんそうとトマトのチーズ焼き
鉄分や葉酸、食物繊維など栄養価の高いほうれんそう。ビタミンCも含まれているため、鉄分の吸収力を高めてくれます。また、トマトにも含まれるビタミンCには強い抗酸化作用があり、出産間近で病気は避けたい時期において、免疫力強化にも効果が期待できます。
【材料】
- トマト 1個
- ほうれんそう 1/2束
- プロセスチーズ 40g
- 塩 少々
- 油 小さじ1
【作り方】
- ほうれんそうは茹でで3cm幅にカットする。
- トマトは縦半分に切って、種を取り除き大きめにカットする。
- 油を熱したフライパンにほうれんそう、トマトを入れてさっと炒める。
- 小さくちぎったチーズを上にのせ、蓋をして蒸し焼きにする。
- チーズが溶ければ完成。
納豆とろろそば
栄養価が高いそばに、さらに納豆やオクラ、長いものすりおろしなど、栄養豊富な食材を追加。パックのものを常備しておけば、手間暇かけずにランチができあがります。スーパーなどでそばを選ぶ際は、原材料名の一番目に記載されているものに注目して、「そば粉」が使われているものを購入しましょう。
【材料】
- そば 200g
- 納豆 50g
- 長いも 40g
- おくら 23g
- めかぶ 30g
- めんつゆ 50ml
【作り方】
- そばを茹でる。
- 納豆は付属のタレをかけて混ぜておく。
- オクラは塩刷りしてトゲをとり、茹でてから5mm幅に切る。
- 長いもはすりおろしておく。
- 器にそばをもり、他の具材をのせる。
- めんつゆをかければできあがり。
夜の献立メニュー
夜は活動量が少なくなるので、できるだけヘルシーな食事を心がけましょう。また食べ過ぎてしまうと寝付きも悪くなるので、胃腸に負担をかけない消化に良い献立をおすすめします。
小松菜のじゃこおかか和え
副菜には鉄分やカルシウムの補給にぴったりの小松菜を使用した料理がおすすめ。じゃこを入れることでさらに栄養価がアップします。
【材料】
- 小松菜 1束
- ちりめんじゃこ 大さじ2
- かつおぶし 適量
- ☆酒 大さじ2
- ☆しょうゆ 大さじ2/3
- ☆みりん 大さじ1/2
- ごま油 小さじ1/2
【作り方】
- 小松菜をさっと茹でて、水にとる。
- 粗熱が取れたら水気を絞る。
- 根元を切って、長さ3~4cmに切る。
- ☆をフライパンに入れて煮立たせる。
- すべての材料を混ぜ合わせればできあがり。
ゴーヤチャンプルー
鉄分や食物繊維を含むゴーヤと豆腐、卵、お肉などからタンパク質も摂れるゴーヤチャンプルー。お肉を鶏むね肉にすることで、ヘルシーな夕食ができあがります。
【材料】
- ゴーヤ 1本
- 鶏むね肉 1枚
- 木綿豆腐 1丁
- 卵 1個
- かつおぶし ひとつまみ
- 塩 小さじ1/2
- ごま油 大さじ1
- ☆しょうゆ 大さじ1
- ☆みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- すりおろししょうが 小さじ1
【作り方】
- 鶏むね肉をそぎ切りにして☆で下味をつける。
- 豆腐をキッチンペーパーで包み、600Wのレンジで3分加熱。
- かつおぶし入れた溶き卵をつくっておく。
- ゴーヤは縦半分に切り、スプーンで種をとる。
- 5mmほどにスライスして、塩を揉み込み10分ほど放置する。
- ごま油を熱したフライパンで1を炒め、色が変わってきたところで豆腐をちぎりながら入れる。
- よく洗い水を切ったゴーヤを入れ、ゴーヤに火が通ったら卵液を回し入れ、全体を混ぜ合わせれば完成。
ブロッコリーの中華スープ
葉酸をはじめ、ビタミンなどの栄養素を豊富に含むブロッコリーは、スープで食べると栄養を余さず摂れるのでおすすめ。身体も温まるうえに水分でお腹も膨れるので、食べ過ぎ防止にも繋がるでしょう。
【材料】
- ブロッコリー 50~60g
- 水 400ml
- みりん 小さじ2
- 塩 小さじ1
- ごま油 大さじ1
- すりごま 小さじ1
【作り方】
- 鍋に小房に分けたブロッコリーと水を入れて加熱する。
- ひと煮立ちしたら、ごま油以外の調味料を入れる。
- 鍋肌からごま油を入れたらできあがり。
妊娠後期に過剰摂取を控えたい食べ物・飲み物
妊娠後期といわず、妊娠中は下記の食べ物、飲み物の摂りすぎは良くないとされています。
食べ物・飲み物 | 理由 | 摂取量の目安 |
カフェインを含む飲み物(コーヒーなど) | カフェインが赤ちゃんの発育に影響を与えるため | コーヒー:1~2杯/日紅茶:2~3杯/日緑茶:3~4杯/日 |
加工食品・インスタント食品 | 塩分や脂肪分が多いため | |
大型の魚(まぐろ、キンメダイ、メカジキなど) | 食物連鎖により水銀が取り込まれているから | 切り身1切れ分(80g)/週 |
昆布など | ヨウ素を多く含んでおり、取り過ぎると赤ちゃんの甲状腺機能の低下を引き起こすと言われているため | 5cm角の昆布を500mlの水でダシを取ったうち150ml/日 |
ひじき | ヒ素が多く含まれているため、食べ過ぎは健康被害に繋がる | 小鉢1杯程度を2回/週 |
ビタミンAを含む食材(レバー、うなぎなど) | ビタミンAの摂りすぎは、赤ちゃんの形態異常を引き起こすと言われているため | レバー:串焼き1本/週うなぎ:蒲焼き1回/週 |
カフェインを代表するものと言えばコーヒーですが、紅茶や緑茶、栄養ドリンクにも含まれているため、注意が必要です。また健康に良いとされる魚や海藻類にも気を付けたいところ。大型の魚や昆布、ひじきなどは食卓に出す頻度を下げるようにしましょう。
レバーなどに含まれるビタミンAにおいても過剰摂取は良くありませんが、後期に入ると必要量が増加します。その際、できれば植物性の食品が含むプロビタミンAから摂取すると安心です。プロビタミンAは体内で、必要な量だけビタミンAに変換されるため、摂りすぎを心配することなくビタミンAの摂取が可能になります。
妊娠後期にNGの食べ物・飲み物
妊娠初期から言えることですが、妊娠後期でも引き続き、下記の食べ物・飲み物は絶対にNGです。
食べ物・飲み物 | 理由 |
アルコール | 赤ちゃん性アルコール症候群や発達遅延、中枢神経障害、先天性疾患の発症率や自然流産率を上げると言われているため、妊娠中はもちろん授乳中も控える |
生魚・魚卵 | 生ものには寄生虫や菌が付着していることがあり、免疫力が低くなっている妊娠中は食中毒を引き起こす可能性があるため |
生卵 | 生魚と同じく、食中毒を引き起こす可能性があるため |
生肉(ユッケ、生ハムなど) | リステリア菌による食中毒を引き起こす可能性があるため |
ナチュラルチーズ | 生肉同様、リステリア菌による食中毒の心配があるため |
特に妊娠中のアルコールの摂取は、百害あって一利なしです。赤ちゃんに与える影響が計り知れないので、出産後も授乳期間が終わるまではやめておきましょう。
また妊娠中は免疫力が低くなるため、食中毒の可能性が潜む生ものNG。「食中毒になったところで」と思われるかもしれませんが、普段とは体調が違うこと、お腹のなかに赤ちゃんがいることを意識して、出産が終わるまでは生もの、特に生肉は避けるようにしましょう。