魚を使用した離乳食の進め方(時期・量)|主な栄養素やおすすめレシピも紹介

【この記事の監修者】工藤紀子医師
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、インスタグラムや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

離乳食で魚が食べられるようになると、体を作るために必要なタンパク質を豊富に摂取できます。青魚には脳の働きを活性化させる栄養素も含まれるので、赤ちゃんにはぜひ食べて欲しい食材です。

しかし魚にはたくさんの種類があってどの月齢からどの魚を食べさせてよいのか、悩むママやパパもいると思います。この記事では魚を使った離乳食の進め方を解説しています。用意する魚の注意点やおすすめのレシピを紹介しているので、参考にしてください。

魚に含まれる主な栄養素

魚は白身魚、赤身魚および青魚の3つの種類に分けられます。それぞれの魚に含まれる主な栄養素と働きは以下の通りです

魚は離乳食におすすめの食材です。良質なたんぱく源であることに加えて、魚には肉では摂取できない栄養が含まれるからです。例えばドコサヘキサエン酸(DHA)は体内で作られない必須脂肪酸です。DHAは脳や神経の発達に必要な栄養素とされており、成長期に積極的に取りたい栄養素のひとつです。

また、赤身魚に豊富に含まれる鉄分は、離乳食中期・もぐもぐ期(7~8ヶ月)の赤ちゃんが多く取りたい栄養素です。なぜなら生後6ヶ月頃から赤ちゃんの体内に蓄えられた母体由来の鉄分が減り始め、生後9ヶ月を目安にその鉄分のほとんどが失われるからです。そのため、貧血を防ぐために離乳食中期には積極的に鉄分を摂取しましょう。

魚を使用した離乳食の進め方

魚を使った離乳食を食べさせる量や固さは、以下の通りです。

離乳食に使う魚は白身魚から赤身魚、青魚へと進めていくのが一般的とされています。離乳食を食べ始めたばかりの赤ちゃんには、魚を与えるのは避けましょう。なぜならたんぱく質を多く含む魚は、おかゆなどの炭水化物に比べて消化に時間がかかるからです。離乳食初期・ごっくん期(5~6ヶ月)はつぶしがゆから食べさせます。次にすりつぶした野菜を与え、慣れてきたら豆腐や白身魚を与えましょう。

魚を食べさせるのは離乳食を始めた10日目以降を目安としましょう。はじめは小さじ1杯から与えます。茹でた魚をすり鉢ですりつぶした後、お湯で伸ばしヨーグルトくらいの固さにします。パサつきが気になるときは水溶き片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。中期から赤身魚を食べさせ、離乳食後期・かみかみ期(9~11ヵ月)から青魚を与えるとよいでしょう。

魚を使った離乳食は生の魚を買ってきて調理する、またはベビーフードを買ってくるの2通りの方法があります。仕事や育児で忙しいときはベビーフードを活用すると、時間短縮ができて便利です。

離乳食で使用できる魚の種類一覧

時期別に食べられる魚の目安は以下の通りです。

【初期から食べられる魚】

白身魚は離乳食初期におすすめの食材です。なぜなら脂肪が少なく、赤ちゃんが消化しやすいからです。白身魚は臭みが少ないので赤ちゃんが食べやすい特長があります。身がほぐれやすく、手に入りやすい魚を選ぶのがポイントです。

釜揚げシラスは塩分が含まれるので、離乳食で使用する際は塩抜きをしましょう。塩抜きをする方法はシラスを熱湯に数分つけた後に水洗いをします。なお、主にイワシの稚魚であるシラスは青魚に分類されます。

【中期から食べられる魚】

赤ちゃんが白身魚を食べるのに慣れてきたら、赤身魚を与えてみましょう。赤身魚にはたんぱく質に加えて、鉄分も多く含まれます。赤身魚は加熱すると固くなりやすいので、ほぐして食べやすくしてから与えましょう。大きさは2mm角くらいからはじめて、4mm角程度までにします。

サケの身は赤く見えますが、白身魚に分類されます。赤く見えるのはアスタキサンチンと呼ばれる色素が含まれるためです。アスタキサンチンはエビやカニにも含まれます。

【後期から食べられる魚】

後期になったらアジやイワシ、ブリを食べさせてみましょう。脂が多い青魚は消化の負担となりやすいです。したがって、脂の少ない背の部分から与えるとよいでしょう。

【完了期から食べられる魚】

サバは青魚のなかでも脂が多いです。したがって、アジやイワシに食べ慣れた後に与えるとよいでしょう。サバには鋭い骨があるので、骨を取り除いてから離乳食に使います。

魚を使用したおすすめのベビーフード

良質なたんぱく質を含む魚は、赤ちゃんに積極的に食べさせたい食材です。しかし、皮や骨の処理に手間がかかり、調理後の臭いも気になりますよね。調理の手間を省きたいときはベビーフードを使うのがおすすめです。下ごしらえが不要で、アレンジすれば他の献立にも使えるので活用してみてはいかがでしょうか。

シラスと白いんげんの和え物は、シラスと白いんげんの風味が感じられるペーストです。シラスは脳の発育に欠かせないDHAや、骨や歯の発育を助けてくれるビタミンDが豊富に含まれます。

マダイとかぶのコトコトペーストは、マダイの甘みとかぶのほんのりとした苦味を感じられるペーストです。マダイは高たんぱくで脂肪分が少ないため、離乳食初期でも食べやすい食材です。

魚を使用した離乳食レシピ

ベビーフードを使うと魚をさばいて調理することが不要なので、時間を短縮することができます。魚を使ったおすすめの離乳食レシピは以下の通りです。

【魚を使った離乳食レシピ】

  • シラスの炒り卵
  • カツオのとまとのミルク煮
  • アジのつみれ煮おじや
  • シラスと白いんげんのクリームコーン和え
  • カツオの竜田揚げみぞれかけの柔らかうどん

シラスの炒り卵

ベビーフードと卵を炒めるだけの簡単なレシピです。魚と卵からたんぱく質を摂取できるのでおすすめです。離乳食中期から与えられます。

【材料】

  • シラスの野菜煮 大さじ2(約30g)
  • 卵黄 1個

【作り方】

  1. 油をひかずに溶いた卵黄を弱火で炒めます
  2. 火が通ってきたところで「シラスの野菜煮」を加えてさらに炒めます

レシピで使用した「シラスの野菜煮」は以下の商品です。

シラスの野菜煮/5パウチ

カツオのとまとのミルク煮

カツオは鉄分が豊富ですが、加熱するとパサつきやすいです。とろみをきかせて食べやすくした離乳食中期におすすめのレシピです。

【材料】

  • カツオのとまと煮 大さじ1(約15g~20g)
  • お湯で溶いた粉ミルク 大さじ1
  • 水溶き片栗粉 適量

【作り方】

  1. 「カツオのとまと煮」とお湯で溶いた粉ミルクを合わせて火にかけます
  2. 軽く煮たってきたら水溶き片栗粉を入れ、素早く混ぜます
  3. とろみがついたら火を止めてお皿に盛り付けます

レシピで使用した「カツオのとまと煮」は以下の商品です。

カツオのとまと煮/5パウチ

アジのつみれ煮おじや

アジに含まれるDHAは脳や神経の発達に欠かせない栄養素です。一品で主食とおかずを取れる栄養満点のレシピで、離乳食後期におすすめです。

【材料】

  • アジのつみれ煮 45g 
  • ごはん 80g 
  • やさいだし 大さじ2
  • 水 大さじ2

【作り方】

  1. 材料を全て小鍋に入れてひと煮立ちさせる

レシピで使用した「アジのつみれ煮」は以下の商品です。

アジのつみれ煮/5パウチ

シラスと白いんげんのクリームコーン和え

コーンの甘みがきいた離乳食初期から与えられるレシピです。しらすに含まれるビタミンDが骨の成長を助けます。赤ちゃんの味覚は敏感なので食塩が少ないクリームコーンを選ぶのがポイントです。

【材料】

  • シラスと白いんげんの和え物 大さじ1(約15~20g)
  • クリームコーン 小さじ1~2

【作り方】

  1. 器にシラスと白いんげんの和え物を入れます
  2. クリームコーンを入れ混ぜます
  3. ラップをして、電子レンジ500w〜600wで10~20秒温めます

レシピで使用した「シラスと白いんげんの和え物」は以下の商品です。

シラスと白いんげんの和え物/5パウチ

カツオの竜田揚げみぞれかけの柔らかうどん

味の変化がつけづらいうどんは、ベビーフードと合わせるだけでいつもと違ったレシピになります。一皿で主食とおかずが取れる食べ応えのあるレシピです。離乳食後期から与えられます。

【材料】

  • カツオの竜田揚げみぞれかけ 45g
  • ★柔らかく茹でたうどん 40g
  • ★やさいだし 大さじ2
  • ★水 大さじ2

【作り方】

  1. うどんを5mm程度の食べやすい長さに切る。
  2. ★の材料を全て混ぜ、ラップをして電子レンジ500wで1分加熱する。 ※うどんの温度で加熱温度は変わりますので加減してください。
  3. 上から「カツオの竜田揚げみぞれかけ」をかけてさらに1分加熱する。

レシピで使用した「カツオの竜田揚げみぞれかけ」は以下の商品です。

カツオの竜田揚げみぞれかけ/5パウチ

魚を使用した離乳食を用意する際の注意点

離乳食に魚を使う時は以下の2つに注意しましょう。

【魚を使った離乳食を用意する際の注意点】

  • 必ず鮮度の良い魚を用意する
  • アレルギー反応が起こらないか確認する

必ず鮮度の良い魚を用意する

食中毒が発生する可能性があるので、鮮度の良い魚を使いましょう。食中毒を引き起こす原因はヒスタミンです。ヒスタミンとは魚に含まれるアミノ酸が分解されて生成される物質です。熱に強いヒスタミンは加熱しても取り除くことができず、一度生成されると取り除くことはできません。

魚を購入したら常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管します。ヒスタミンはエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓はできるだけ早く除去しましょう。

アレルギー反応が起こらないか確認する

魚をはじめて食べさせる際は、アレルギー反応が起こらないか確認します。万が一アレルギーが出たことを考えて、医療機関を受診できる平日の午前中に与えるとよいでしょう。サケとサバはアレルギーを引き起こす材料として、食品表示法で指定されている、特定原材料に準ずるもの21品目に該当します。

アレルギーが起こると以下の症状が現れます。

【魚アレルギーで起こる症状※】

食物アレルギー厚生労働省のページを参考に作成

上記の症状が出たら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

たんぱく質を豊富にとれる魚は、積極的に離乳食に取り入れたい食材です。鉄分やDHAといった赤ちゃんの成長に必要な栄養素もとることができます。しかし、食中毒やアレルギーを引き起こす可能性もあるので、調理や食べさせる際には注意が必要です。

離乳食は思うように進まずにイライラしてしまいますよね。そんなときは離乳食を作る手間を省いてみて下さい。子育て家族にやさしいフードブランド「カインデスト」のベビーフードを試してみてはいかがでしょうか。